船体に亀裂あると知りながら敦賀水島への渡し船運航 船長が勝手に判断
敦賀市の水島に渡る船の船体に亀裂があったにも関わらず、船長が勝手に判断して運航を続けていたことが28日にわかりました。
問題の船は近江トラベル(滋賀県彦根市)が運航する、敦賀半島と水島を結ぶ旅客定員60名の「第八観光丸」です。
近江トラベルによりますと、今月11日色ヶ浜桟橋で、利用客が船に乗り込む際に船の傾きに違和感を感じ、右側の船尾に亀裂があることがわかったものの、そのまま利用客を乗せて運航したということです。そのあと、後方の床下に水が溜まってきたため社内の安全統括管理者から運航中止の指示を受けましたが、「亀裂が海面より上だった」と船長が勝手に判断して運航を続けたということです。
船は11日のうちに修理し、浸水がないことを確認した上で12日以降も運航を続けましたが、1週間後の19日になって日本小型船舶検査機構に経緯を報告し、使用中止の命令を受けたもので、その後は運航を取りやめています。
会社によりますと、亀裂を確認してから運航を中止するまでにのべ8900人あまりが乗船したということですが、けが人はいませんでした。
近江トラベルの伊藤孝樹社長は「全社を挙げて安全管理体制の再構築に取り組み、再発防止および信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。