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【美肌の湯】嬉野温泉で「入湯税」引き上げと「宿泊税」導入を議論 検討委の初会合では慎重な意見 市は前向き…どうなる 佐賀

2024年9月10日 20:12
【美肌の湯】嬉野温泉で「入湯税」引き上げと「宿泊税」導入を議論 検討委の初会合では慎重な意見 市は前向き…どうなる 佐賀
美肌の湯で「税」を議論

日本三大美肌の湯として知られる佐賀県の嬉野温泉で、入湯税引き上げや宿泊税導入が検討されています。10日に開かれた検討委員会では、新たな税の導入に対して慎重な意見が相次ぎました。

■元木寛人アナウンサー
「嬉野庁舎です。このあと、こちらの会議室で入湯税などに関する1度目の検討委員会が行われます。」

佐賀県の嬉野市役所では10日、地元の観光業関係者などが出席して、入湯税の引き上げや宿泊税の導入についての検討委員会が開かれました。

■嬉野市・村上大祐 市長
「オーバーツーリズムという言葉がありますが、そういったことが局地的にすでに起きている状況です。オーバーツーリズムの解消や、快適な観光環境づくりはますます求められるものであると考えています。そこには先立つものが必要であることは言うまでもありません。観光客の皆さんから大変心苦しくはありますが、より良い観光地づくりのためにご協力をいただくことも考えなくてはならない。」

新たな税の導入や引き上げに前向きな市側に対し、参加者からは。

■税理士
「入湯税の金額をアップするのは、どちらかというと賛成ではない。アップすると全国的なニュースになって反感を買うようなことになる。マイナス効果。単価率ではなく(観光客の)数を増やす策をとるべき。」

■嬉野温泉旅館組合・北川健太 副理事長
「旅館やホテルの中には、値上げや宿泊税について否定的な組合員もいます。徴収するのは現場のホテルや旅館なので現場の声も含めて検討してほしい。」

慎重な検討を求めた北川健太さんは、嬉野市で温泉旅館を営んでいます。西九州新幹線の開業からまもなく2年、関東からの観光客は開業前のおよそ2倍に増加し、インバウンドもコロナ前の水準に戻っています。

その一方で、人件費、食材費、燃料費などあらゆるものが値上がりしていて、ことしに入って宿泊料金を1泊1人あたり1000円値上げしました。

■旅館 大村屋・北川 健太社長
「葛藤はありましたが何でも上がっている時期なので、このタイミングで上げないと利益が残っていかない。経営的には苦しい判断ではありましたが。」

観光振興などを図るための入湯税の引き上げは、旅館にとってもメリットがありそうですが。

■北川 社長
「すべてが観光のために使われているわけではないです。徴収するなら、財源は100%観光のために使うのであれば検討の余地があるのではないか。お客様から預かっているお金で、旅館には1円も入りませんので、そこはシビアな目で見ていかないといけないのかなと思います。」

嬉野市の場合、入湯税のうち、観光振興のために使われているのは半分で、残り半分は環境衛生施設の整備や消防施設の整備などに使われています。

宿泊税や入湯税を巡っては、全国的にも議論になっています。9日には仙台市で、宿泊税の導入をめぐり前向きな市と、慎重な議会側で論戦が繰り広げられました。

同じように導入を検討している宮城県では、温泉旅館組合が「宿泊者の税負担感が高まり、客足が遠のく」として導入に反対しています。

新たな税の導入や引き上げが検討されていることに、嬉野温泉を訪れていた観光客は。

■和歌山から訪れた人
「観光客としては充実する方がありがたい。」
■福岡から訪れた人
「 宿泊費と入湯税が別であるので二重払いしているみたいな感じ。それを上げるとなると、どうかなとは思う。」

新たな税の導入は利用客にとって新たな負担となるだけに、自治体側は、その使い道を丁寧に説明する必要があります。