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生産者の自慢の一品でヒット商品を生み出せ! みかん+和牛+ミニトマト=絶品ソースを開発 佐賀県大会

2024年2月6日 18:04
生産者の自慢の一品でヒット商品を生み出せ! みかん+和牛+ミニトマト=絶品ソースを開発 佐賀県大会
生産者の自慢の一品でヒット商品を生み出せ!

生産者が自慢の品をPRして全国的なヒットを目指すコンテストがあります。年末には、佐賀県大会が開かれ、独自のブランドみかんを育てる唐津市のみかん農家も挑戦しました。

去年12月、佐賀市で「佐賀の宝物グランプリ」という大会が開かれました。全国大会で上位に入れば、インターネット販売などの支援を受けることができます。

一躍、ヒット商品になることも夢ではないとあって、唐津産のうにや佐賀の酒蔵で造られたお酢など、8組の生産者とグループが生産品や加工品を出品しました。

■唐津・くん煙工房・山下諒祐さん
「アイデアと食材を結集して、どんな食材にも合う名バイプレーヤーがここに誕生しました。」

佐賀県内4つの事業者が共同で出品したのは、魚料理などにかける「ラヴィゴットソース」です。「ラヴィゴット」はフランス語で『元気づける』という意味で、野菜や肉、果物を使った栄養豊富なソースです。

この商品開発に参加した1人が、佐賀県唐津市のみかん農家、万里川(まりかわ)勝博さん(75)です。

■万里川勝博さん(75)
「今までで一番いいかもしれない。」

万里川さんの自慢は、独自のブランドみかん、味香(みか)みかんです。果汁が多く、丸ごと食べられるほど皮が薄く柔らかいのが特徴です。

■吉村史織アナウンサー
「すごく皮が薄いので食べやすいですし、えぐみとか苦みとかがないので皮のままいけます。」

ただ、唐津市はみかん農家が多く、自分の商品をどのように知ってもらうかが悩みの種だったといいます。

■万里川さん
「差別化する所はたくさんある。知ってもらうということは一番大きな目標だった。」

そこで、万里川さんは今回のコンテストへの参加を決めました。同じ悩みを抱えた佐賀県産和牛の生産者の一ノ瀬仁美さんと、ミニトマトの生産者の吉田章記さんとともに加工品を手がけることにしました。協力を仰いだのは、近隣で食品加工を手がける工房です。

まずは、それぞれが食材を持ち寄る中で万里川さんが用意したのは、味香みかんの果汁を使った“みかん酢”です。

■万里川さん
「酢の味やコクの中にみかんのエキスが入っていて、その中に少し(香りが)残っているなと。」

しかし、加工品作りのプロからは鋭い指摘も出ました。

■唐津くん煙工房・波呂 裕さん
「酢を使ってこの酢の良さが生かされるかが心配ではある。(加熱で)香りも飛ぶし、風味も飛ぶから。」

牛肉とミニトマト、そして万里川さんのみかん酢を使って何を作るか。1週間後、試作に選んだのが、みかん酢を加熱せずに作るラヴィゴットソースでした。

刻んだ佐賀和牛のジャーキーとミニトマトに、みかん酢やオリーブオイルを混ぜてつくるソースです。およそ2週間かけて、全員が納得できる味を作り上げました。

■唐津くん煙工房・山下諒祐さん
「でも結構、これいいソース。」
■一ノ瀬畜産・一ノ瀬仁美さん
「いいソースでしょうね。」
■万里川さん
「万能ソースになるんじゃないの。」

いったいどんな味になったのか。味見させてもらいました。

■吉村アナウンサー
「牛肉のしっかりしたうまみのあとに、みかんトマトの酸味がしっかり出てくる。どんな食材に合うのかなと考えながら食べる楽しみもあるソースです。」

あとはコンテストを待つばかりです。万里川さんは、仲間と共に作り上げた加工品が多くの人の手に届くチャンスに期待を寄せていました。

■万里川さん
「今回もそういう出会いがなければ、そもそもできなかったと思う。楽しみですね。本当に楽しみにしてます。」

そして迎えたコンテスト当日、出品した8組のうち上位4組が全国大会に進むことができ、専用のウェブサイトで販売を支援してもらえます。

試食用のラヴィゴットソースが審査員に配られ、加工を担当した山下さんがプレゼンを担当しました。

■山下さん
「佐賀県唐津市が誇る究極の素材を使って誕生したのがラヴィゴットソースです。どんな食材にも合わせられる絶品ソースをご賞味下さい。」

■審査員
「すごくおいしくて初めて食べるような感覚の味でした。」
「みかんの酸っぱさで作ってると聞いてちょっとびっくりしましたし、すごく優しい味ですね。」

一定の評価を受けたラヴィゴットソースでしたが、残念ながら上位入賞はできませんでした。それでも万里川さんは、この経験をして良かったと話します。

■万里川さん
「知らんことを知るというのは、こういう場に出てこないとわからない。今回のこのグランプリに出たということは、いろんないい意味できらきらと光る物を得たよね。」

自慢のみかんや唐津市の魅力を伝えたいという万里川さんの思いは、今回の出会いや経験で一歩前に進んだようです。