【日本版ライドシェア】福岡でもスタート 65歳男性は運転が好きでドライバーに挑戦 運行時間は?台数は?
一般ドライバーが自家用車を使い有料で客を運ぶライドシェアが、12日から福岡でも始まりました。福岡市などではタクシー不足を実感しますが、ライドシェアは移動手段の選択肢として浸透するのでしょうか。
12日午後、福岡市南区のタクシー会社、双葉交通では、入念に車の点検を行っている男性の姿がありました。
■ライドシェアのドライバー・井野和弘さん(65)
「特別気合いが入ることもないし、肩の力を抜いてやった方がいいかなと思うので。ライドシェアはいいなとお客さんに思ってもらえるようにしたい。」
井野和弘さん(65)。12日から福岡でもスタートする、日本版ライドシェアのドライバーです。
■阿部まみフィールドキャスター
「午後4時を過ぎました。福岡初のライドシェアドライバーが客を迎えに出発しました。」
12日午後4時、双葉交通の管理のもとで、井野さんともう1人の男性がライドシェアのドライバーとしてデビューしました。
ライドシェアとは、プロの運転手ではなく、一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶサービスです。
タクシー会社が運行を管理し、曜日や時間帯に制限があるのが、日本版ライドシェアです。
利用できるエリアは福岡市や糸島市、太宰府市、春日市など15の市と町の福岡交通圏です。
運行時間は、月曜日から木曜日が午後4時から午後9時台、金曜日・土曜日が午後4時から翌朝の5時台、日曜日は午後3時から午後9時台までに限られます。
福岡市タクシー協会によりますと、双葉交通を含め少なくとも7つのタクシー会社が、12日からライドシェアのサービスをスタートさせる予定です。
7日、ライドシェアの運行開始を前に研修を受けていた井野さん。去年、息子に会社を譲り、一線を退きました。もともと運転が好きなこともあり、今回ライドシェアのドライバーを始めることにしました。
■井野さん
「海外のドライバーが普通の格好でオーダーを受けて行くシーンを何回か見て、日本版ライドシェアと聞いた時に日本で始まるんだと思った。」
ドライバーとしての心構えやマナーを学んだ後は、実際に車に乗り、客を運ぶシミュレーションです。
■双葉交通・豊島明弘 常務
「まずはお迎えに行くところからやってみましょう。」
■配車アプリの音声
「(お知らせ音)配車依頼が届きました。」
博多駅まで客を運ぶシミュレーション。ルートの確認を入念に行うよう指導がありました。
■豊島常務
「博多駅の場合は、博多口か筑紫口かも確認をしないといけない。」
井野さんの車はトラブルなく、無事に博多駅に到着しました。
■井野さん
「安全面で人の命を預かるということはすごく大事なので、教育をいろいろしてもらって良かったと思う。」
■阿部フィールドキャスター
「いよいよライドシェアのサービスがここ福岡で始まります。街の人はどのように感じているのでしょうか。」
■街の人
「今これ(タクシー)に1時間くらい待って乗ったので。助けてもらいたいというのがあるので、一般の人でも運んでもらえたらすごく良い。」
「旅行で来た時とか、きょうもそうだが、割とタクシーを使う機会が多いので、ライドシェアが始まると選択肢の1つとして増えてくる。」
「利用はしないかなと思います。プロのタクシーの方が安心なので、そっちを使う。」
12日からライドシェアのサービスをスタートさせた双葉交通では。
■豊島常務
「タクシーに乗りたくても乗れないといった社会課題を解決していきたい。(タクシーが)足りない部分をライドシェアで補完できれば。」
九州運輸局はライドシェアの運行申請をした41のタクシー事業者(計260台分)のうち、これまでに31社に許可を出しています。今回、運行を始めた会社以外も、準備が整い次第、順次サービスが始まる見込みです。
福岡での現在の運行台数については、九州運輸局と福岡市タクシー協会は把握していないとしています。
ライドシェアはどうやって利用できるのか。福岡では今のところ、配車アプリの「GO」あるいは「DiDi」で専用の車を呼びます。
アプリで降りる場所を指定すると、自動でルートが作成され、ドライバーはナビに合わせて運転します。
運賃は事前に決まります。支払いは、アプリにひも付いたクレジットカードなどのキャッシュレス決済で行うため、現金での支払いはできません。