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「売れば売るほど赤字」「なんでこんな値段がつくのか」備蓄米21万トン放出へ 飲食店・販売店・生産者は

2025年2月14日 19:35
「売れば売るほど赤字」「なんでこんな値段がつくのか」備蓄米21万トン放出へ 飲食店・販売店・生産者は

深刻なコメ価格の高騰への対策として国は14日、21万トンの備蓄米を放出すると発表しました。福岡の生産者やコメを取り扱う人たちからは安堵の声も聞かれた一方で、不安もまだ残るようです。

福岡市・天神の釜飯専門店を訪ねました。一番の人気メニューは、1954年の開業当時から親しまれる、ちょっぴり甘口の「博多釜めしそぼろ」です。

■白野寛太記者
「だしが染み込んでいて、おいしいです。」

自慢のだしがしみ込んだ、ふっくらと炊き上げられたごはんを求めて、連日多くの人が訪れます。頭を抱えるのは主役であるコメの価格高騰です。

■ビクトリア・加藤康裕社長
「去年の安定していた価格から約2倍です。どんどん値上げが起きて、非常に苦労しています。」

高止まりするコメ価格への対策として14日、政府は備蓄米の放出についての概要を発表しました。

■江藤拓農水相
「販売数量は21万トンとします。これは流通が滞っている状況を何としてでも改善したいという、強い決意の数字だと受け止めていただきたいと思います。」

放出される量は、2024年に生産されたコメを中心に、2023年のコメも加えた21万トンです。

今回政府が放出する21万トンの備蓄米は、年間の玄米の仕入れ量が5000トン以上の集荷業者に対し販売されます。この21万トンというのは、江藤農水相が「流通が停滞している」と指摘する量で、この放出により市場にコメが増え、政府は価格が安定するとの期待を寄せています。放出分は、原則1年以内に政府が集荷業者から買い戻しを行うということです。

この買い戻しについて、江藤農水相は機動的に対応するとしています。

■江藤農水相
「1年という期限があるから必ず買いますというと『上げ圧力』になりかねない。私の判断で1年を超えることもあると。」

また江藤農水相は、21万トンのうち最初に15万トンを業者に販売し、残り6万トンは供給過剰とならないよう状況を見極めて放出するとしています。21万トンで効果がなければ、さらなる放出も辞さない構えです。