妊娠・出産・育児で離職した女性と企業をマッチング 再就職を後押しする「ママドラフト会議」 シリーズ【こどものミライ】
■スピーチ
「人材育成を効果的にサポートする仕事で貢献したいと思っています。」
「コミュニケーションを大切にしながら積極的に挑戦していきます。」
もう一度、私らしく働きたい。そう願う女性たちを応援するイベント「ママドラフト会議」が2月、福岡市で開かれました。
「ママドラフト会議」は、再就職を目指す女性と、優秀な人材を求める企業との出会いの場として2014年に始まりました。
会場には13人の参加者と10社の企業が集まり、参加者は自分を売り込むスピーチを披露しました。一緒に働きたいと思った企業は「いいね」のプラカードを掲げます。
今回参加した一人、福岡市早良区に住む礒村久弥(くみ)さん(46)です。
■礒村久弥さん(46)
「企業が求めているスキルとマッチすることが大事かなと思う。私のことも知ってもらって、ぜひマッチすればいいかなと思っています。」
■礒村さん
「おかえり。」
礒村さんは、夫と小学5年生の長男、朔さんと3人で暮らしています。以前は金融機関に13年間勤め、人材育成や採用業務に携わってきました。
転機が訪れたのは、朔さんが小学校に上がる時でした。いわゆる“小1の壁”です。勤務に合わせた送り迎えなど、保育園の時にはできていた育児と仕事の両立が難しくなったのです。
■礒村さん
「私の方が出勤時間が早いから、息子に『いってらっしゃい』と『おかえり』が言えなかったんです。私が言ってもらう立場で。息子の成長を見られずに仕事を続けるのが腑(ふ)に落ちなくて。」
コロナ禍で働き方が一変したこともあり、礒村さんは2020年に勤めていた会社を退職しました。その後、知人のすすめで興味を持ったリラクゼーションサロンを自宅で個人事業として始め、より柔軟に育児に時間を使えるようになりました。
朔さんと向き合う時間が増えた礒村さんは、成長とともに新たな思いも芽生え始めました。
■礒村さん
「私の手を離れて自分で何でも決められるし、ある程度は友達といろいろできるから、今度は育児というより自立を見守る感じで過ごせればいいかなと。」
朔さんもまた、母の新たな挑戦を心待ちにしているようです。
■ 長男・朔さん(11)
「いつもパソコンを開いている。何かしっかりとやっている。」
■記者
「お母さんが社会で活躍するのはどうですか。」
■朔さん
「なってほしい。」