【密着】福岡県が主催する婚活イベント これまでに600組が結婚 今年度はAI活用も 福岡
「婚活」についての話題です。4月に民間団体が公表した人口減少により近い将来、消滅の可能性がある自治体に、福岡県では8つの自治体が該当しました。指標にしたのが出生数の減少です。少子化に歯止めをかけようと福岡県は「婚活イベント」に力を入れています。
4月20日、福岡県吉富町の飲食店に集まったのは、20代から30代の男女15人です。
■参加者
「率直に恋人を作りに来ました。」
「恋人も欲しいなと思っていましたし、30歳になるまでには欲しいなと。」
開かれたのは、結婚を希望する独身の人が集まる婚活イベントです。参加費はランチ代込みで1人2500円です。参加者の1人、福岡県吉富町の和才宏輝さん(38)は、婚活を始めて1年になります。
■和才宏輝さん(38)
「年も年なので早く結婚したいなと思いまして。」
これまで男性が多い工場で働いてきたことから、女性との出会いが少なかったといいます。本格的に婚活に力を入れようと、去年12月からは一人暮らしを始めました。
■和才さん
「自分は家事とかも得意で、結構、料理もやるのでよければ一緒によろしくお願いします。」
まずは、1対1で自己紹介です。
■和才さん
「きょうはどこから?」
■女性
「福岡市から」
■和才さん
「じゃあ結構、遠かったんですね。」
■女性
「そうですね。」
■和才さん
「自分は地元、吉富町からです。」
最初は緊張していた和才さん。事前に登録した相手のプロフィールをスマホで見ながら話題を探します。
■和才さん
「いま、一人暮らしですか。」
■女性
「実家です。一人暮らしですか。」
■和才さん
「はい、一人暮らしです。普段、家事は全部自分でやっているような状態です。実家に住んでいるということは、家事とかは全然ですか。」
■女性
「いや、全然ってわけじゃないですけど…。」
アピールポイントの家事の話につなげようと奮闘しますが、なかなか会話が弾みません。次はグループに分かれて、指定されたテーマについてみんなで話します。
【主催は民間ではなく福岡県】
■和才さん
「趣味とか一緒に楽しんでできると。」
■女性
「趣味、どんな感じですか。」
■和才さん
「自転車とか筋トレとかゲームとかですね。」
自分の趣味を積極的にアピールできました。
今回の婚活イベントを主催したのは、民間ではなく福岡県です。県が婚活に力を入れるのには、切実な理由があります。
福岡県によりますと、2022年度の婚姻数は2万1840件で年々減少しています。それに伴い、出生数も7年連続で減少していて、2022年度は3万5970人と過去最低を更新しました。
■福岡県こども未来課・大谷雄一課長
「少子化で人口が減少することによって、働く人がいなくなるという影響もある。結婚の希望を持つ方がかなうように、都市部以外の開催も進めていきたいと考えています。」
福岡県は2005年から婚活事業に取り組んでいて、これまでに600組以上が結ばれました。今年度はAIを活用し、相性がよさそうな人を集めたイベントを開くなど婚活に力を入れています。
その県の婚活イベントに参加した和才さん。およそ3時間にわたったイベントは、最後の結果発表の時間です。気に入った相手を入力し、マッチングしたかどうかが発表されます。
和才さんの番号は6番です。
■福岡県出会い・結婚応援事業 青栁美香事務局長
「男性が1番・4番・7番・3番。」
この日は4組のカップルが成立しました。和才さんの番号は呼ばれませんでした。
■和才さん
「なかなか難しかったですね。もうちょっと積極的に話しかけていって、女性が楽しめるようなトークを磨けたらと思います。普通でいいので温かい家庭が理想だと思います。」
結婚したくても出会いがない人たちにどう機会を提供するのか。人口減社会に直面する日本にとって避けては通れない問題です。
※FBS福岡放送めんたいワイド5月7日午後5時すぎ放送