【カメリポ】「つらい時だからこそ」がん治療を続ける女性 笑いヨガで被災地を思いエール 福岡
福岡から被災地に笑いで元気を届けようという取り組みについてです。笑いとエクササイズを組み合わせたユニークな活動を続ける、福岡市の女性の思いに迫ります。
参加者たちが笑いながらエクササイズをしています。1月20日、福岡市で「笑いヨガ」の講座が開かれました。
■笑いヨガ講師・濵尾美那さん(60)
「グダグダ考えても、しゃーにゃい。ははは。」
こう伝えるのは、笑いヨガ講師の濵尾美那さん(60)です。濵尾さんは、特別な思いをもってこの日を迎えていました。
■濵尾さん
「落ち込んでも、打ちひしがれても、泣いてもいいけど、そのあとに笑いましょうと言いたい。」
濵尾さんは去年5月に、血液のがんといわれる悪性リンパ腫と診断されました。現在、通院しながら抗がん剤治療を続けています。
■濵尾さん
「きょうは抗がん剤の治療で、4種類の薬を投与します。」
濵尾さんは元高校教師です。
笑いヨガとの出会いは、2011年3月の東日本大震災の直後でした。以前、新聞で紹介されていた笑いヨガを思い出したといいます。
結婚を機に教師の職を辞め、子育てをしながらカウンセラーなどの仕事をするなど、新たな人生の目標を模索していた時期でした。
■濵尾さん
「そのころ、私自身が職場の人間関係で苦しかったことがあった。(笑いヨガを)作り笑いで笑うわけですけど、やっているうちにだんだん楽しくなって、わー気持ちいいなみたいになって、爽快感でてきて、自分が勇気づけられた。」
悪性リンパ腫が見つかり、つらい抗がん剤治療が続いても、濵尾さんは「笑い」の存在で乗り越えてきました。
さらに、「笑いヨガ」の開催を強く決意させる出来事があったといいます。元日に石川県で発生した能登半島地震です。
■濵尾さん
「私自身も体験したけど、つらくても苦しくても、大きな声で笑ってみると力になる。 みんなで大変だよねーとか言っている場合ではなくて、笑っていいんです。 笑わなきゃいけないんです、こういう時だからこそ。」
■会場
「はまちゃーん!」
■濵尾さん
「ありがとう。おめでとうございます。濵尾美那、改め、濵尾タツコでございます。」
4か月ぶりに「笑いヨガ」の講座を開催しましたが、この日の濵尾さんの体調は、あまりよくありませんでした。
■濵尾さん
「直前に抗がん剤治療をして、今回が一番副作用が出ている。 手先のしびれと吐き気が一番強く出ています。」
しかし、会場の笑い声に後押しされるように、濵尾さんにも笑顔が出てきました。
■福岡市から参加
「笑顔が自分の心と体を解放してくれ、本当に胸が温かくなって満たされている感じ。」
■北九州市から参加
「笑うってやっぱり気持ちいいな。 何気ない中に喜びとか、自分の気持ち次第で得ることができる。」
そして、最後に願ったのはこんなことでした。
■濵尾さん
「被災地の皆様の健康と、一刻も早い復興を願いながら、笑っていきたい。」
■会場
「はははは。」
「つらい時だからこそ、笑いで元気を取り戻してほしい」と、みずからも病気と闘いながら、被災地へ笑いのエールを届けます。