【注目】「海のゆりかご」博多湾のアマモを増やす 海の脱炭素「ブルーカーボン」とは 福岡
6月は環境月間です。二酸化炭素を吸収する新たな選択肢として、海草や藻など海の植物が注目されています。FBSも海草を増やす活動に参加するなど、CO2削減への取り組みが広がっています。
こちらは、博多湾の海中で撮影された映像です。海の底に生えているのは、海草の「アマモ」です。
アマモは「海のゆりかご」とも呼ばれ、魚やイカの産卵場所になるほか、環境問題を解決する手段の1つとして今、注目を集めています。
■ふくおかFUN 代表理事 大神弘太朗さん(39)
「僕たちが手を入れて(生き物が)暮らしやすい場所を作っていく。」
大神弘太朗さん(39)は、福岡を拠点に海の環境保全に取り組んでいます。沖縄を旅していた大学時代、ヒッチハイクで知り合ったダイバーに誘われて海に潜り、ダイビングにのめりこみました。人間と自然が共存するための橋渡し役になりたいと考えるようになりました。そこで注目したのが「アマモ」です。
■大神さん
「一番大きな目的としては、カーボンニュートラル。」
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること=「排出量」から「吸収量」と「除去量」を差し引いた合計をゼロにすることです。
アマモなど海の植物は、地上の植物と同じように大気中の二酸化炭素を光合成によって取り込み、貯める働きがあります。
海の植物が吸収した炭素のことを「ブルーカーボン」と呼び、地球温暖化を食い止める手段の1つとして期待が寄せられています。
■大神さん
「今、アマモの種が出来る時期で、種を採取する活動を毎週やっています。」
大神さんは企業や学校と一緒に、海中のアマモを増やす活動に取り組んでいます。実はFBSも、その活動に参加しています。
■若林麻衣子アナウンサー
「わー、大量ですね。種がいっぱい付いてますよ。」
5月、福岡市西区の能古島では、FBSの社員などが水中に生えているアマモを採取しました。これから時間をかけて中に詰まっている種を取り出し、海にまいてアマモが育つ場所を増やす計画です。
■大神さん
「僕は自分たちだけでやれば良いことではなく、みんなで解決するべきと思っています。」
環境問題を自分ごととして考えてほしい。みんなでできる取り組みが広がっています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年6月21日(金)午後5時すぎ放送