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【カメリポ】夏の夜空に舞い上がる手作りの灯籠 過疎化が進む集落で復活して10年 「会いたい」大事な人と家族をつなぐ 福岡

2024年8月17日 18:22
【カメリポ】夏の夜空に舞い上がる手作りの灯籠 過疎化が進む集落で復活して10年 「会いたい」大事な人と家族をつなぐ 福岡
お盆の夜空に輝く灯籠

和紙で手作りした灯籠を夜空高く浮かべる祭りが、福岡県八女市で行われました。この明かり一つ一つに、亡くなった人への感謝の思いが込められていました。

福岡県八女市黒木町の山あいにある大淵(おおぶち)地区は、田園風景が広がる人口850人ほどの小さな集落です。

8月11日、地域の体育館では灯籠づくりが進んでいました。

八女の和紙と地元産の竹ひごを一つ一つ貼り合わせ、高さおよそ1.7メートルの灯籠を手作りしていきます。

毎年8月14日に行われる「大淵献燈祭(けんとうさい)」は、過疎化が進む大淵地区で、いったん途絶えた夏祭りの伝統を復活させようと、2014年に始まりました。

■大淵献燈祭実行委員会・田中栄一さん
「仲間が2か月近く団結して作り上げていくのがいいのかなと思います。(Q.献燈祭に込めた思いは?)この大淵を未来永劫、今の姿で、消滅集落とか言われていますが、そういうことがないよう、どうぞ見据えてくださいという思いです。」

祭り当日の8月14日、夜のとばりが下り始めた会場に、地区の人や久しぶりに帰省してきた家族などが集まってきました。

心を込めて手作りされた灯籠には、亡くなった人の名前が書かれています。

明かりがともされた灯籠は、天に届くように浮かび上がります。

■灯籠を上げた人たち
「バイバーイ!」
「もともとグライダーが趣味の親父だったので、もっと高いところに上がってもらいたいです。」
「喜んどるよ。」
「すごく感動しました。父と母が見てくれている感じで。」

灯籠に結びつけられた糸が、亡くなった先人と今を生きる家族をつなぎます。

■会場アナウンス
「これからもみんなを見守ってくださいね。」

会場ではこんな家族の姿も見られました。

■灯籠を上げた人たち
「みんな元気よ。安心しとってね。」
「糸電話?」
「会いたい。会いたいです。」

■会場アナウンス
「点灯です。」

天高く舞い上がり、お盆の夜空を照らした灯籠。その灯りは、かけがえのない人に感謝し、次の世代に思いをつなぐ希望の光でした。

※FBS福岡放送めんたいワイド2024年8月16日午後5時すぎ放送