ダウン症のモデル菜桜さん 夢がかないパリコレに出演へ 北九州市の「ド派手」衣装店がデザインしたドレスで華やかに 福岡
ファッションモデルとして活躍するダウン症の女性が3月、パリコレクションに挑戦します。世界の舞台で身につけるのは、あの「ド派手」な衣装で今や海外からも注目される、北九州市の貸衣装店のドレスです。
■中村安里アナウンサー
「成人式のド派手衣装で知られるこちらのみやび。パリコレクション出場に向け、最終確認が行われています。」
鮮やかな赤の反物に、ゴールドの帯をあしらったドレスです。襟元は、帯にワイヤーを入れ、動きを出しています。
ひときわ目をひくドレスを作ったのは、北九州市の貸衣裳店「みやび」のオーナーで、和装デザイナーの池田 雅さんです。
■みやび・池田 雅さん
「菜桜ちゃんを“おひなさま”のような、“フランス人形”のような感じにしたくて。」
衣装の依頼をしたのは、パリコレクションに挑戦する静岡県在住の齊藤菜桜さん(19)です。
■菜桜さん
「かわいいね!首のこれとリボンがかわいいと思う。パリコレ行きます。」
菜桜さんは生まれてすぐダウン症と診断されました。いくつもの合併症があるため、小さいころから40回以上の手術を乗り越えてきました。
今は福祉作業所で働きながらファッションモデルとしても活躍しています。
モデルの活動を始めたのは5年前です。「いつか世界の舞台に立ちたい」とウォーキングの練習などを重ね、SNSで発信してきました。
そして、「障害があっても夢をあきらめない」姿がデザイナーの目に留まり、1月、パリコレにゲストとして出演することが決まったのです。
■菜桜さんの母・由美さん
「やったーって。『パリコレ』といっても、彼女はパリがどこにあるかも分からないんですけど、海外のファッションショーに出る、それが夢だったのですごく喜んでいました。障害があるので夢を1人でかなえられない。わたしも一緒にその夢に携わって、それがすごく楽しみ。 彼女も彼女なりに一生懸命、ひとつずつクリアしていって今がある。」
そんな時でした。去年、ニューヨークのファッションショーに登場した「みやび」の衣装を目にした菜桜さんは、自分らしいドレスを作ってほしいと依頼しました。
そして完成したのが和と洋を組みあせた華やかなドレスです。
■菜桜さん
「うれしいです!」
■由美さん
「すごくきれいです。さきほどまでいた自分の娘じゃないみたいで。」
この日は本番を想定し、ランウェイでウォーキングを披露しました。
■中村アナウンサー
「きらびやかな衣装、そして笑顔が輝いています。堂々としたウォーキングです。」
■由美さん
「いままで頑張ったのが…。みやびさんのおかげだね。パリ楽しみだね。」
■菜桜さん
「笑顔で歩きます!」
パリコレの出演は現地時間の3月2日です。
初めての海外へ、夢の舞台にむかってモデル・菜桜さんの可能性が広がります。