【さあ、投票へ。】あなたの1票をお金に換算すると220万円? 投票は「政治家へのメッセージ」専門家と考える1票の重み
公示翌日の16日から始まった衆議院選挙の期日前投票は、19日から福岡市役所でも始まり、イオンモールやゆめタウンなど商業施設にも投票所が設けられています。一部を除き、午前8時半から午後8時まで投票できます。
福岡県選挙管理委員会によりますと、20日までに投票を終えた県内の有権者は全体の5.4%で、前回の同じ時期をわずかに下回りました。
18歳以上の国民に平等に与えられている1票。その1票が持つ重みと価値について、政治学が専門の西南学院大学、鵜飼健史教授に聞きました。
■西南学院大学・鵜飼健史 教授
「自分たちの政治的な意思を表明する重要な機会というのが最大のメリットで、政治家たちに対しても、私たちは見ているんだというメッセージを送る意味でも非常に大きい。」
政治に対する意思表示であり、政治家へのメッセージでもある有権者の1票。同時に、選挙への参加は有権者が“政治責任”を引き受けることだと鵜飼教授は指摘します。
■鵜飼 教授
「行動を取らない(選挙に行かない)ことは、政治行動のあり方を自らが限定してしまうことになる。例えば今回のように不祥事が続いた場合、(投票しなかったという)自分たちの責任や選択が政治にどういうかたちで反映されたのか、ある種の反省というかたちで、私たちは責任を抱くことになるかと思う。」
一方で、1票の価値を「見える化」した専門家もいます。滋賀県立大学の村上一真教授は、1票の価値を独自の計算式でお金に換算しました。
今回の衆院選での1票の価値は、村上教授の計算式で算出すると220万円になります。これは、選挙で国会議員を選ぶ行為は「間接的に国の予算の使い方を決めること」という考えに基づいています。
詳しい計算方法を見てみましょう。
今年度の国の予算はおよそ85兆円です。この予算の責任を全ての国会議員が等しく負うと仮定すると、今回の衆院選で当選する465人は、あわせて55兆8000億円分の責任を負うことになります。衆議院議員の任期は4年ですので、この4倍の額を有権者の数およそ1億人で割ると、220万円となります。
つまり、今回の衆院選で投票しない有権者は、これだけの国の予算を決める権利を捨ててしまうと考えることができるのです。