「大統領が審査ねじ曲げた」日鉄が米紙に意見寄稿
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日本製鉄によるUSスチールの買収計画にバイデン大統領が中止命令を出した問題で、日本製鉄の森高弘副会長は14日、アメリカの有力紙「ウォールストリートジャーナル」に寄稿しました。
森副会長は、命令の無効を求めて提訴に踏み切った理由について「バイデン大統領が政治的動機で審査をねじ曲げた」「私たちは本買収に国家安全保障上の懸念は存在しないと考えている」などと主張しました。
寄稿はバイデン大統領が中止命令を出した背景などを現地の人たちに理解してもらう狙いです。
寄稿の中で、森副会長は「CFIUS(対米外国投資委員会)の審査は、適正手続きと公正さという最も基本的な要件を満たしていなかった。私たちは、バイデン大統領が政治的動機に基づく目的を達成するために審査をねじ曲げたと考えている」としたうえで、「選挙政治が審査プロセスを左右することになれば、対米外国投資委員会に対する信頼が損なわれる」と指摘しています。
また、買収の意義について、「USスチールを守り、高炉を継続させ、雇用を維持するための唯一の実行可能な取引である」と説明し、「私たちは、米国の労働者、米国の顧客、そして米国の国家安全保障に利益をもたらすために、USスチールに投資し、成長させるべく、新政権との連携を模索していく」とあらためて強調しました。