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「日本は悪だ」USスチール買収めぐり競合会社CEOが批判 日鉄は反論「固定観念に固執」

2025年1月14日 20:23
「日本は悪だ」USスチール買収めぐり競合会社CEOが批判 日鉄は反論「固定観念に固執」

USスチールの買収をめぐり、日本製鉄と競合するアメリカ企業のCEOが「日本は悪だ」などと批判を展開しました。一方、日本製鉄も「偏った固定観念に固執し続けている」と反論しました。

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クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「我々はアメリカだ! 日本! 自分たちが何者なのか理解していないことに気づけ!」

日本への怒りが爆発しているこの人は、アメリカの鉄鋼大手「クリーブランド・クリフス」のトップ。なぜ、こんなに怒っているのか。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「日本は悪い!! 日本は本当に悪い!」

怒りの発端となったのは、同じくアメリカの鉄鋼大手「USスチール」をめぐる“争奪戦”です。

当初、クリーブランド・クリフスはUSスチールの買収に意欲を示していましたが、失敗。その負けた相手が、日本製鉄です。お互い買収に合意していて、いわば“相思相愛”の関係。買収はそのまま進むのかと思いきや、クリーブランド・クリフスは、買収を阻止しようと動き出します。助けを求めたのが、バイデン大統領です。

鉄鋼業界をはじめ労働組合の票に選挙を支えられていたバイデン大統領は、助けに応じるような形で買収中止命令を出し、日本製鉄のUSスチール買収計画は、止まったままに。

クリーブランド・クリフスは別の鉄鋼会社と連携し、再び買収を計画していると、アメリカメディアが伝えました。一度、競り負けた日本製鉄、ひいては日本を批判しているとみられます。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「日本は1945年以来、何も学んでいない!」

かつて日本が降伏した終戦の年を口にし…。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「私たちがどれほど善良で、私たちがどれほど優雅で、私たちがどれほど寛大であるか」

会見場に来ていた日本人記者に対しても…。

日本人記者
「はじめましてCEO、お招きいただきありがとうございます。私は…」

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「あなたのアクセントを聞く限り日本人ですね? それかイギリス人?」

日本人記者
「あ…はい。でもいまバトラー(ペンシルベニア州)に住んでいます」

一瞬、緊張が走りましたが…。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「私に似ていますね。私もこのようなアクセントです」

怒りが飛び火した国も。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「中国は悪い。中国は悪だ。中国は恐ろしいが、日本の方がもっと悪い」

世界の鉄鋼メーカーの生産量ランキング(2023年)によると、クリーブランド・クリフスは22位、日本製鉄は4位ですが、トップ10のうち6つを中国が占めています。これは、日本のせいだと批判。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「日本は悪だ。日本は中国に鉄の作り方を含む多くを教えた。日本は中国に、いかに不当に投げ売りするか、いかに過剰生産能力を持つか、いかに過剰生産するかを教えた」

日本への批判だらけの会見に、日本製鉄は次のように反論。

日本製鉄
「クリフス社のゴンカルベス氏は、偏った固定観念に固執し続けていると認識しておりますが、同氏の提案は、本買収における日本製鉄の計画の範囲と規模に匹敵し得ない」

「日本製鉄」は「USスチール」の“唯一のパートナー”だと主張しています。

今後、買収計画は進むのか。カギを握るのは、国同士の話し合いです。6日後には、新たな大統領へと変わりますが、トランプ次期大統領も買収には反対。クリフス社も強気に、こう話します。

クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO
「考えてみてくれ、日本の首相がアメリカ大統領に説明を要求したんだ、『なぜ(買収を)阻止したのか』と。ドナルド・トランプにも同じ要求をしてみるといい。そうすれば私にとって、とても面白い日になるだろう」

決着は、いつつくのでしょうか。

最終更新日:2025年1月14日 20:23