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福岡県知事選挙の争点 「ワンヘルス」 候補者4人に聞く

2025年3月13日 18:04
福岡県知事選挙の争点 「ワンヘルス」 候補者4人に聞く
福岡県知事選挙の投開票が3月23日に行われます。福岡県が推進している「ワンヘルス」という政策についての是非をめぐり、候補者4人の間で意見が分かれています。

「ワンヘルス」とは、人、動物、地球環境を一つの健康と捉え、一体的に守っていくという考え方です。

新型コロナウイルスの感染拡大などで、人と動物に共通する感染症対策は世界的にも重要視されています。

この取り組みに関し、福岡県筑後市の筑後広域公園の入り口で迎えてくれるのが、高さ7メートルのモニュメントです。

■吉原美樹記者
「公園にある大きなモニュメントですが、何のために建てられたのか説明を見ると『ワンヘルス』と書かれています。」

福岡県が設置したモニュメントは、ワンヘルスを知るきっかけになってほしいと、「ワンヘルス・カーボン・ゲート」と名付けられました。事業費はおよそ3億円です。

■公園利用者
「びっくり、衝撃的です。あまり文句は言いたくないけれど、もったいないなと思います。」

福岡県は2022年度からこれまでに「ワンヘルス推進」にかかる事業に、約45億円を投じています。

力を入れているのは、県民への啓発や学校での教育です。

昨年度、福岡県が行った調査では、県民の認知率が50.7パーセント、高校でのワンヘルス教育の実施率は、62.5パーセントに。担当者は「順調に成果は出ている」と評価しています。しかし。

■公園利用者
「(ワンヘルスという言葉を聞いたことは?)ない。横文字は全然分からない。」
「取り組む内容がよく分からない。子どもたちの教育とか物価高もあるので、そっちの解決になったほうがよい。」

取り組みを知らないといった声も聞かれました。

また、新たなワンヘルス事業も進んでいます。

■吉原記者
「目の前に畑が広がるこの場所に、ワンヘルスセンターの建設が予定されています。」

福岡県みやま市の保健医療経営大学跡地にできるのが、ワンヘルスセンターです。老朽化が進んでいる福岡県太宰府市の保健環境研究所の建て替えも兼ねていて、2027年度中の供用開始を目指しています。

福岡県は来年度の暫定予算にワンヘルスセンターの関連で約56億円を計上しています。

現職の服部氏はワンヘルス政策のさらなる推進に意欲をみせています。

■無所属 現職・服部誠太郎氏(70)
「ワンヘルスはSDGsと同じで、息の長い取り組みだと思う。将来の私たちの子どもや孫の命・健康を守っていく。そのためには環境対策・環境保全にしっかり取り組まないといけない。今、立ち止まってはいられない。」

一方、ほかの候補者3人は反対の立場で、意見が真っ向から対立しています。

■無所属 新人・吉田幸一郎氏(45)
「推進することに異常な金額が使われていて、順番がそもそも違うし、県税でやるレベルの問題じゃない。誰一人賛成していないし、(ワンヘルスを)知らないです。反対というかそれ以前の問題。」

■無所属 新人・藤丸貴裕氏(48)
「全く評価はしていません。税金の無駄遣い。それだけ金があったら(環境対策として)メタンガス発電所がいくつできるだろう。もったいない。」

■諸派 新人・新藤伸夫氏(76)
「ワンヘルスは中止です。人間の健康・病気からの回復、その医療を保証することが第一と思う。」

賛否が分かれているワンヘルス政策も争点の1つとなっている福岡県知事選挙の投票日は3月23日です。

最終更新日:2025年3月14日 14:41