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スギ花粉の飛散ピーク 経済損失2300億円超の試算も 新たに塗り薬も登場

2025年3月13日 8:36
スギ花粉の飛散ピーク 経済損失2300億円超の試算も 新たに塗り薬も登場

福岡県内ではスギ花粉が飛散のピークを迎えています。花粉症による一日の経済損失が2300億円を超えるとも言われる中、花粉症の塗り薬も登場しています。

13日午前、福岡市中央区の耳鼻咽喉科のクリニックを訪れてみました。

■中村安里アナウンサー
「こちらのクリニックでは診察が始まったばかりですが、待ち人数はすでに100人を超えています。」

■みみ・はな・のどせがわクリニック 瀬川祐一 院長
「鼻詰まりがきついんですね?」
■患者
「鼻詰まりもですし、目のかゆみも。」

このクリ二ックでは、この時期1日約200人の患者が訪れますが、そのうち約100人が花粉症の症状を訴えているということです。

■瀬川院長
「3月に入り、すごく(患者が)多くなっています。最近はお子様も増えていて、小学生の方も増えていますし、3歳くらいから発症する方もいます。」

日本気象協会によると福岡県内の花粉は、3月に入り例年に比べて極めて飛散量が多く、3月第3週は特に気温が高く、花粉が飛散しやすい状況が続いていると言います。

■街の人
「横浜から来たばかりで、福岡は(花粉が)すごく多いというのは聞いていて身構えていたんですが、やっぱり多いなと思っています。そんなに花粉症が重い方じゃなかったのですけれど、くしゃみも出るし目もすぐかゆくなったので、福岡に来てすぐ病院に行きました。」
「ことしからめっちゃ重症みたい。めっちゃ(症状が)重くなって、せきと鼻水が止まらない状態です。」
「めちゃくちゃつらいです。鼻よりも目の方が。鬼ごっことか遊ぶ時とかに、目がめちゃくちゃやばいですね。」

多くの人が苦しむ花粉症について、パナソニックは2月、花粉症による労働力低下の経済損失額が、推計で一日2320億円にのぼると発表しました。

花粉症が原因で仕事のパフォーマンスが下がっているためです。

そんな中、登場したものがあります。

■じんのうち耳鼻咽喉科 陣内進也院長
「目の周りに塗るクリーム。塗るだけでかゆみが抑えられるクリームが発売されました。」

まぶたに塗る花粉症の治療薬で、耳鼻咽喉科や皮膚科などで処方されます。一日1回、目の周りに塗るだけです。医師によると塗るタイミングは寝る前がおすすめで、寝ている間に薬が浸透すると言います。

さらに、こんなメリットもあるということです。

■陣内医師
「目薬が苦手な子どもや高齢者も使いやすいです。目薬を使うことで化粧崩れを気にする女性もいますけれど、寝る前に薬を塗ることで、朝から化粧も普通にできます。」

■患者
「目薬は一日に何回も目に入れないといけないけれど、塗り薬は一日に1回で済むので楽だなと思いました。目薬だったらメイクが落ちるかもしれないから、夜1回塗るだけなのは楽かなと。」

日本気象協会によりますと、福岡県内の花粉の飛散状況は、13日と14日にピークを迎え、15日(土)に雨の影響でいったん落ち着きますが、3月第4週の始めから再び多くなる見込みだということです。

この花粉症、これまで発症していなかった人も注意が必要です。

花粉症の発症のメカニズムとして、これまでよく知られていたのが「コップ理論」です。コップの水があふれるように、「体内に蓄積される花粉の量が、ある一定量を超えると発症する」というものでした。

ただ、この理論では少量の花粉のアレルギー物質を摂取し、徐々に体を慣れさせ、症状を緩和させる治療法の説明がつきません。

そこで今、主流となっているのが「シーソー理論」です。シーソーの一方が体の抵抗力、もう一方が花粉による負荷を表しています。

加齢やストレスなどの要因でこのバランスが崩れると、花粉の負荷が大きくなり、花粉症を発症してしまうというものです。

最終更新日:2025年3月14日 6:17
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