シリーズ『こどものミライ』 ロボット世界大会で準優勝の高校生が小学生に特別授業
子育てを取り巻く環境や子どもたちの成長を見つめるシリーズ『こどものミライ』です。小学生に『理科』に興味を持ってもらおうと、福岡県宗像市で特別授業が開かれました。教えたのは、ロボット開発技術の世界大会で準優勝した高校生たちです。
■小学生が教室に入る様子
「おはようございます。番号何番ですか?」
「1番。」
「こっちですね。」
9月3日に訪れたのは、福岡県立宗像高校の実験室です。電気物理部が活動するこの場所に集まってきたのは、宗像市の小学生30人です。ここで、特別授業が開かれました。
■小学3年生(8)
「きょうは楽しそうだからきた。」
■小学3年生(8)
「世界大会2位のロボットが見られるって書いてあって、すごいなって思った。」
宗像高校電気物理部はことし7月、フランスのボルドー市で開かれたロボット開発の技術を競う『ロボカップ世界大会』で準優勝しました。
その大会に出場したロボットや部員がつくったゲームを通して、理科の楽しさを伝えます。
■宗像高校2年生・泥谷胡々菜さん(16)
「何で出来ていると思う?」
■小学生
「アルミ!」
■泥谷さん
「そう!みんなのおうちにもあるアルミホイルで出来ている。」
見せていたのは、アルミホイルと金属の棒でつくったゲーム『イライラ棒』です。
アルミホイルが張られた迷路のような隙間を棒で通り抜けようとしますが、アルミホイルに触れてしまうとコンピューターからの指示で電気が流れ、風船が割れました。
■泥谷さん
「アルミホイルの電気の流れを強くするために、ここにエッジをつくっている。」
ほかにも、どんなときに風船が割れるかというクイズやロボットがつくられる工程の説明など、子どもたちは楽しみながら高校生の授業に目を輝かせていました。
■小学3年生(8)
「風船にレモン汁かけると割れるって(知った)。(Q. 知ったときどう思った)そうなの?って(思った)。楽しいです。」
去年、全国の小学生を対象に行われた調査では、「将来理科や科学技術に関係する職業に就きたい」と答えた割合が26.7%で、4年前とほぼ横ばいでした。
次世代の技術者や研究者が少なくなり、ものづくりの衰退が懸念される中、宗像市は『理科』に興味をもってほしいと高校生に授業を依頼しました。
■泥谷さん
「工夫した点も楽しんでもらえていたので、うれしかったです。小学生にものづくりについて知ってもらうきっかけになったので良かったと思います。」
■小学4年生(9)
「すごいなって、いまこんななってるんだなって。近未来的なものが好きだから。あんなの(ロボット)つくっていいなって。」
世界レベルの技術をもつ身近な高校生から『理科』の楽しさを学んだ小学生たちは、将来の選択肢が広がったようです。