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飲食店街の大規模火災は42時間後に鎮火 北九州市消防局は去年10月と12月に防火指導を行う 福岡

2024年1月5日 19:32
飲食店街の大規模火災は42時間後に鎮火 北九州市消防局は去年10月と12月に防火指導を行う 福岡
大規模火災は防げなかったのか

北九州市の飲食店街で3日、発生した大規模火災は、およそ42時間後のけさ9時前に鎮火しました。おととし大規模火災が起きた旦過地区からわずか400メートルの場所で再び起きた火災は、なぜ防ぐことができなかったのでしょうか。

■川崎直人記者
「多くの消防と警察が現場に集ま っています。火災の原因などの調査が行われています。」

火災が起きた現場付近では、5日午前から消防と警察による実況見分が行われています。

おととい午後、北九州市小倉北区の鳥町食道街で発生した大規模な火災は、出火からおよそ42時間後の5日午前8時50分にようやく鎮火しました。

現場周辺は午後5時時点でも規制が続いています。

■職場が規制の範囲内にある人
「確認できていない。会社の人が入れないって言って、きょうは仕事ができないって。まさか会社の裏がと、信じられない。」

被災は免れたものの、店の営業が再開できない人もいました。

■飲食店関係者
「予約しているお客さまに本当に申し訳ないっていう気持ちでいっぱいですね。店を開けられないので。あした、あさっても開けられないと思う。」

今回の大規模火災では、およそ2900平方メートル、飲食店など35店舗が焼けました。

火災が起きた鳥町食道街から、南におよそ400メートルに位置する旦過市場一帯ではおととし、2度にわたる大規模な火災が起きています。危機感は持っていたはずなのに、なぜ火災は繰り返されたのでしょうか。

鳥町食道街の組合長は、コロナ禍で集まることができず、訓練を実施していなかったことを明かしました。

■鳥町食道街組合・中石 浩由 組合長
「旦過の火事があったあとに、電気設備を新しい物に変えた。私たちも気をつけようという思いで、ちょっとずつですが変えていっていた部分はあったのですが。もう少しちゃんと防火訓練を実施して、どうにかしていればという悔いはありますね。」

おととし、旦過地区で起きた2度目の火災直後、消防庁は木造飲食店が多く、大規模な火災につながる可能性が高い地区を「重点防火指導対象地域」に指定するよう各消防本部に通知しました。

指定された地域では、火元の管理や消火器具の設置、地域ぐるみでの訓練を促すことになっています。

北九州市消防局は鳥町食道街について、木造店舗が密集しているものの「耐火性の高い建物に囲まれている」として、対象地域に指定していなかったことが分かりました。

これについて5日、武内市長は、指定外ではあっても防火指導は行っていたと強調しました。

■武内市長
「鳥町に関しても、防火指導も査察も何回かやったと聞いています。とは言え、火災というのは可能性をゼロにすることが出来ない中、どれだけ極限まで可能性をなくしていくか。この努力の余地というのはあると思います。」

北九州市消防局は、鳥町食道街で去年10月と12月に防火指導を行っていたということです。

古い木造店舗を焼いた3度目の大規模火災。4度目を絶対に起こさないための検証と、新たな対策が必要です。