2024年問題・物価高・人手不足・賃上げ ことしはどんな年に?地元企業トップに聞く 福岡
地元企業のトップが集まる福岡商工会議所の新年祝賀会が、4年ぶりに通常開催されました。トップたちが考える2024年について聞きました。
5日午後、福岡市で開かれた福岡商工会議所の新年祝賀会には、地元財界のトップらおよそ1000人が集まりました。4年ぶりの通常開催です。
■財津ひろみアナウンサー
「2024年はどんな1年になるのか、九州の企業トップに聞きます。」
まずは、主催した福岡商工会議所の谷川浩道会頭です。
■福岡商工会議所・谷川浩道会頭
「一歩一歩前進することが、ことし1番大事なこと。中小企業が納得のいく価格を取引先と契約できるかしっかり見ていく。問題は物価高そのものでなくて、それに見合うだけの賃上げができているか。だから、適正価格での取引が1番大事。」
各企業のトップの皆さんには『2024年問題』、『賃上げ』、『物価高』、『その他』の4つのワードの中から選んでいただき、2024年をどうみているのか聞きました。
『2024年問題』
2024年問題について宗像陸運の古賀佳代子社長です。
■宗像陸運・古賀佳代子社長
「このひと言ですね、苦しい。人手不足で苦しい。人手不足だと残業が多くなるけれど、残業は減らさないといけない。物流が止まると、朝採れのイチゴや新鮮な食べ物が、きのうの朝採れ、おとといのお魚、というふうに速さ、新鮮さをウリにできなくなる。」
『物価高』
イオン九州の柴田祐司社長は、物価の上昇について次のように話しました。
■イオン九州・柴田祐司社長
「できるかぎり、常に安い形。日々安くなったり高くなったりではなく、常に安くなるのを目指していく。価格転嫁はしないといけない。それを我々がどうコストを抑えながらやっていくか。生産性をどうあげていくかということ。」
ガソリン価格の今後について、増田石油の増田成泰社長は「適」という字を書きました。
■増田石油・増田成泰社長
「石油価格はことしも継続して高い水準が続くだろう。日本経済全体を回復させていこうということで、適正価格でやりましょうと。いまはまだ、補助金を国からいただいていますが、これがいつまで続くか分かりませんので、ガソリン価格も変わってくると思います。その辺のご理解をいただきたい。」
運転士不足が懸念される中で、西鉄の林田浩一社長です。
■西鉄・林田浩一 社長
「乗務員が劇的に増えていくのは難しい。ことしは1月20日にバスの運賃を心苦しいが値上げさせていただくのですが、皆さまからいただくものを原資としながら、待遇改善を進めて人を確保していくことが1番のテーマです。」
『賃上げ』
総合金融サービス企業の九州リースサービスの礒山誠二社長は、賃上げについてこう話します。
■九州リースサービス・礒山誠二社長
「この4月に給与を引き上げていくことを施策として打っていく。全体的にいえば2%から3%。」
『金利と円安・円高』
岩田屋三越の左中樹太郎社長は、インバウンドが回復した去年に続きことしも、海外客に期待を寄せつつ、金利や外国為替相場を気にしています。
■岩田屋三越・左中 樹太郎社長
「最近、百貨店は外国のお客様にたくさん来ていただいている。円安の影響を受けている。福岡は経済が成長している地域なので、県内だけでなく県外・海外のお客様にたくさん来ていただきたい。」
4月1日付で社長に昇格する西部ガスホールディングスの加藤卓二 常務は「龍門飛躍」という文字を書きました。
■西部ガス・加藤卓二 常務
「鯉が瀧を滝を上って龍にかわって飛躍していくという、そんな年にしたい。ウクライナ問題でご迷惑をおかけすることもあったが、何とか乗り越えてきているので、少しでも安いガスを安定的にお届けできればと思う。」
このほか、年明け早々に能登半島で起きた地震の影響を気にする声もありました。多くの経営者が慎重な見通しを口にしていたのが印象に残る、2024年のスタートでした。