【人手不足】マンション管理のピンチヒッター「代行管理人」にシニアの力 高齢人材も「奪い合い」に 福岡
運送業界をはじめとした様々な業界で人手不足が叫ばれる中、「マンション管理」にも影響が出ています。そうした中、シニア人材をマンション管理のピンチヒッターとして活用する動きが全国に広がりを見せています。
11月19日、福岡市の福岡商工会議所で講習会が開かれました。
福岡、佐賀など4つの県から現役でマンションの代行管理員、いわゆる代理の管理人として働くおよそ150人が集まりました。平均年齢は70歳、最高齢は84歳です。
代行管理員とは、マンションの常駐の管理人が休暇や退職などで不在となる際に派遣されるスタッフのことです。
この講習会は、マンション管理業界でシニア人材を活用し、管理人業務への派遣事業を行う会社「うぇるねす」が全国各地で開催しているものです。
参加者は、マンション管理で基本となるほうきやモップの持ち方などの清掃の仕方や、あいさつのポイントなどを学びました。
■60代の参加者
「地域住民の方と顔を合わせられるのは、1人で家の中にいるのと違うと感じます。」
■うぇるねす・下田雅美社長
「マンションが増えているので管理人のニーズが増えている。それにもかかわらず、すごく人が足りない。」
福岡をはじめ、西日本を中心にマンション管理業務を行なう会社の採用担当者も、マンションの管理人不足を訴えています。
■あなぶきハウジングサービス 管理員採用専任室・筒井純一さん
「昔の求人だとハローワークの募集がメインだったのですが、ここ数年はWEB、それ以外の媒体です。応募の方を募ろうとしているのですが、なかなか集まらない。応募自体はほとんどないです。もう2・3年前からですね。人手不足と、異業種が力を入れはじめたことで高齢者採用の奪い合いになっています。」
松尾和幸さん(77)は、友人の紹介で8年前から代行管理員として働いています。
アパレル業界に勤めていましたが、現在は自分の趣味などを優先し、空いている週3日ほど、指定されたマンションに向かい清掃作業などの管理業務を行います。
■代行管理人・松尾和幸さん(77)
「あなたが清掃してくれてマンションが見違えるようにきれいになったと時々言われることがあります。褒めてもらうという部分で、この歳になって役に立ってるなと思ったらやりがいをすごく感じます。」
高齢者のやりがいを引き出しながら、いかにシニア人材を活用していくかが、人手不足の一つの解決のヒントとなりそうです。