「魔の7歳」を交通事故から守るために 高さ115センチの死角を体験 事故があった場所をスマホで確認できるサイトも 福岡
福岡県内では10日、柳川市や大牟田市などで小学校の入学式が行われ、新1年生はいよいよ学校生活がスタートします。初めて「1人歩き」する児童も多く、交通事故の危険が高まることから、“魔の7歳”とも言われます。どんなことに注意すればいいのでしょうか。
■元木寛人フィールドキャスター
「今、新1年生の子どもたちが体育館に入場してきました。緊張している子もいれば、笑顔の子もいますね。」
福岡県柳川市の昭代第一小学校には10日、新1年生21人が入学しました。
■古賀柳信校長
「学校の周りは車も多いので、交通安全に気をつけて楽しく登校してください。」
■元木フィールドキャスター
「新1年生を見守る保護者は、きょうの日をどんな気持ちで迎えているのでしょうか。」
■保護者
「大きくなって、一つの門出でうれしい気持ちです。(登下校は)車の量も多いし、心配なところはあるけれど、飛び出したりしないように横断歩道をきちんと渡るようにしっかり教えていきたい。」
■新1年生
「ちょっと怖い。一人で行くのが。」
■保護者
「きのう一緒に歩いてみたのですが、それでも不安はありますね。道路が狭いので。」
これは、ドライブレコーダーが捉えた危険な瞬間です。片側1車線の道路を車が直進していると突然、右側からランドセルを背負った子どもが飛び出してきました。
こちらの映像では、車が左折しようとしたところ、トラックの陰から傘を差した2人の子どもが車に気づかず、道路を横断しようとしました。
小さな子どもが巻き込まれる交通事故は、福岡でも相次いでいます。
福岡県警によりますと、去年1年間に起きた子どもの歩行中の事故では、小学1・2年生の死傷者数が飛び抜けて多くなっています。
■JAF福岡支部・城野 衣里加さん
「今まで保護者と一緒に道路を歩いていたが、1人で歩き始める。行動範囲が広がることで事故の危険性も増えていく。」
“魔の7歳”と言われるこの時期、子どもたちの事故を減らそうと、JAFは入学シーズンに合わせて注意を呼びかけています。
■城野さん
「小学1年生のお子さんがだいたい平均115センチくらいで、ちょうどこの車のドアミラーほどの高さです。運転席に座っていると、もしお子さんが車のすぐ隣にいても、ちょうどこの高さしかなければ運転手から見えない。」
その小学1年生の平均身長と同じ、高さ115センチのコーンを車の左前方に置いてみました。
■鬼丸ゆりか記者
「実際に運転席に座ってみると、左側のドアミラーの前にあるコーンはほとんど見えません。」
“魔の7歳”の危険から子どもたちを守るために、ドライバーが注意すべき点を聞きました。
■城野さん
「もし車に乗る前は直接、運転席側に行くのではなく、ぐるっと車を一周回って、危険がないか、お子さんがいないかを確認して車に乗る。急に視界にお子さんが入ってきても止まれるような速度で、ゆっくり走行する。」
特に通学路や住宅街、公園や商業施設など子どもが多くいる場所を走行するときは、油断せず十分な注意が必要です。
小さい子どもが事故に遭わないために、大人が子どもと一緒に危険な場所を確認することも重要です。
こちらはAIG損害保険が提供する「あんぜんmyマップ」で、全国の交通事故発生リスクが高いエリアをスマートフォンなどで確認することができます。
例えば、FBSがある福岡市中央区清川周辺では、紫やピンクの点が表示されます。実際に事故があった場所を被害に遭った子どもの数で色分けしています。
紫・ピンク・オレンジが子どもの絡む事故が発生した場所で、紫は子どもの死傷者が3人以上の事故多発エリアです。
この丸を押すと「人対車両」「自転車対車両」など、事故の形態別にケガ人の数が表示されます。
また、日常生活の中で子どもにとって危険と感じた場所を地図上に投稿することができ「何がどう危ないのか」見ることもできます。
人が驚いているようなアイコンが投稿されている場所ですが、福岡市中央区平尾4丁目を見てみると「通勤通学ラッシュ時、交通量が多く、スピードを出した車や自転車に歩行者が接触しそうになる」と具体的に記されています。
こうした危険な場所を大人が一緒に確認することで、子どもたちが危険だと意識できるようになるといいですね。
※FBSめんたいワイド2024年4月10日午後5時すぎ放送