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大宰府跡などで構成する「西の都」日本遺産の認定取り消し 理由は「住民の認知度の低さ」と「連携不足」

2025年2月18日 18:41
大宰府跡などで構成する「西の都」日本遺産の認定取り消し 理由は「住民の認知度の低さ」と「連携不足」

「大宰府跡」などの文化財で構成する古代日本の「西の都」について、文化庁は日本遺産の認定を取り消しました。これを受け、福岡県は18日、関係する市や町と意見交換会を開きました。

福岡県庁で開かれた意見交換会には、福岡県の大曲副知事のほか太宰府市や筑紫野市の副市長などが参加しました。

「日本遺産」は日本各地の文化や伝統を発信し観光振興に生かそうと文化庁が認定するもので、これまでに104の地域が認定されています。

このうち、太宰府天満宮などを含む古代日本の「西の都」は2015年に日本遺産に認定されました。福岡県大野城市や春日市、佐賀県基山町など7つの市と町の文化財30点で構成されています。

しかし、2月4日、文化庁は「西の都」の日本遺産の認定を取り消しました。認定が取り消されるのは2015年に制度ができてから初めてです。理由の一つは「住民の認知度の低さ」だといいます。観光地の福岡県太宰府市にある「大宰府跡」をたずねました。

■鬼丸ゆりか記者
「こちらには日本遺産と書かれた案内板があります。」

かつて東アジアとの外交拠点だった大宰府政庁。「西の都」について、どのくらいの人が知っているのでしょうか。

■大野城市民
「はっきりした、何に認定されているという意識はない。日本遺産というはっきりした認識はなかったです。」
■太宰府市民
「貴重な文化遺産で本当に大事なところ。誇れる散歩道でもあります。」

また、太宰府市など集客力の高いエリアから他の文化財へ周遊していないことも課題となっています。

■永易友希記者
「福岡県筑紫野市にある二日市温泉です。温泉街の通りには日本遺産を示す看板が今もあります。」

太宰府市に隣接する筑紫野市の次田温泉(すいたのゆ)、現在の二日市温泉です。「西の都」の構成遺産の一つで、万葉集にも歌われた悠久の歴史を持つ温泉です。

今回の日本遺産の認定取り消しについて、温泉旅館で聞きました。

■大丸別荘・松尾すみ子 総務課長
「今回、認定取り消しのニュースが流れて、あ、そうだったねという感じが率直なところです。登録されていたんだよねという感じです。」

認定を取り消されたもう一つの理由が、自治体など関係機関同士の「連携不足」です。

■松尾 総務課長
「最近、認定が取り消されましたねということで、逆に言われることはありますね。お客様から言われることもあるし、働いてくださっている従業員から、登録されていたんですねという人もいました。そういうところでは、私どもの勉強不足もあったかなと。」

福岡県は現時点で再申請については未定とし、今後も意見交換会を開催するか検討していきたいとしています。

最終更新日:2025年2月18日 18:41