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【ストップ!詐欺被害】「資金洗浄に加担」警察を装う「0110」の国際電話が200倍に増加 福岡の女性が通話を録音

2025年2月17日 18:23
【ストップ!詐欺被害】「資金洗浄に加担」警察を装う「0110」の国際電話が200倍に増加 福岡の女性が通話を録音

福岡県内では2024年、ニセ電話詐欺の被害額が過去最大となりました。中でも警察官を装う手口が急増しています。今回、私たちはこの手口の不審な電話の録音データを入手しました。

■不審な男
「私は今回、愛知県警から捜査協力要請という形を受けて、福岡県警の刑事部捜査2課、○○○○といいます。」

警察官を名乗る、1本の電話です。

■不審な男
「今回、調査中の事件に○○○○さん名義のキャッシュカードが関係しているので、お伺いしたんですけども。愛知県警では、○○さんがアイカワのグループの資金洗浄に加担しているのではないかと伺っていて、今回こうやって電話させていただいたんですけど。」

詐欺グループの資金洗浄に関与した疑いがあると告げます。

この電話を受けたのは、福岡県内に住む40代の女性です。

■女性
「ちょっと聞いてもらいたいんですけど。録音している分なんですけど。」

電話は2月中旬、仕事中にかかってきたといいます。

■女性
「事務作業をしているときに電話があって、番号を見ずにとりあえず出て。」

その後、女性は1人になれる場所に移動するよう指示を受けて車に移動し、発信元を確認すると、番号は国外からとみられる「+」に末尾は「0110」でした。

この「0110」は、警察署の代表電話などで多く使われている番号です。

■元木寛人アナウンサー
「録音しておこうと思ったのは、どういう理由からですか。」
■女性
「愛知県警から捜査協力をされて、福岡県警からお電話してますということで、これはよくテレビで見るやつ(詐欺)だと思って。」

録音されていたのは23分2秒の音声。電話をかけてきた男は、女性の名前や住所を把握してたといいます。その上で、実際に女性が持っている銀行のキャッシュカードが犯罪に使われたと説明しました。

■不審な男
「こちらで押収しているキャッシュカードが、いわゆるオレオレ詐欺の振込先の口座として利用されていたものでして、こちら開設された際の住所等を確認することができておりますので、あなたに本当にお心当たりないかどうかをこちらは聞きたいわけです。」
■女性
「だから、不正に利用されている心当たりに関してはないですって。」

女性は否定しましたが、男は違法性があるとたたみかけました。

■不審な男
「やはり、あなた名義でご登録されている以上、名義人である○○さんがこの○○銀行のキャッシュカードを取り扱ったかどうか。また、ご自身で操作したかどうかに関わらず、現状、法的責任というのは○○さんになってくるんでね。」
■女性
「どれくらいの被害があるんですか。私の名前で。」
■不審な男
「被害額、数千万とかそういう域に達しておりまして、非常に大きな事件となっておりますので。」

そして、男は電話を捜査本部がある愛知県警に転送すると話しました。

■不審な男
「それでは今から電話を転送しますので、このままお待ちください。」
■女性
「はい。」
■転送先の不審な男
「お電話転送受けました。愛知県警察本部、刑事部捜査2課の○○と申します。」

このあと、転送先の男が女性の名前の把握に手間取り、いきなり電話を切ったということです。

■女性
「警察と言われたときはドキッとしたんですけど、でもこれは詐欺師だなとすぐ分かって、話はしたものの、住所とか名前とかを言い当てられていたので、そこはすごくびっくりして心配になりました。」

特殊詐欺対策のサービスをアプリなどで提供する会社によりますと、2024年12月、ユーザーにかかってきた末尾「0110」の国際電話の件数は、半年間で200倍以上に増えたということです。

警察署で使われている番号を表示させることで、警察からの電話と信用させる手口とみられています。

また、福岡県警によりますと、電話からLINEに誘導し、警察手帳や逮捕状などの写真を送って信用させる手口も増えているといいます。

福岡県警は「各県警の間で捜査に関する電話を転送することはないし、警察がLINEに誘導して捜査資料を送ることは絶対にない」と話し、注意を呼びかけています。

最終更新日:2025年2月17日 18:23