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福岡県宗像市でシカが飛び出し車と衝突 JR九州の列車との衝突は1か月で97件に

2023年10月2日 17:47
福岡県宗像市でシカが飛び出し車と衝突 JR九州の列車との衝突は1か月で97件に

車を運転中にシカと衝突した瞬間をドライブレコーダーが捉えていました。近年、生息分布が広がるシカは特に今の時期、車との事故に注意が必要です。

9月22日の午前、福岡県宗像市で撮影されたドライブレコーダーの映像です。乗用車が交差点が近づき、減速し始めた次の瞬間、左手から飛び出し走行中の車の正面に衝突したのはシカです。幸い、シカは自力で立ち上がり、そのまま走って逃げていきました。

車を運転していた女性にケガはありませんでしたが、車のボディには、生々しい衝突のあとが残っています。

■運転していた女性
「思ったより、へこんでた。洗車するまではずっと獣臭がしていました。毛も付いているし。」

突然、車の前に現れたシカに、運転していた女性は、何が起きたか理解できなかったといいます。

■運転していた女性
「植え込みの辺りからいきなり出てきて、気づいた時には車の前にいた。全然分からなかった。ほかの車も減速していなかったと思うので、追突されたり、反対側に飛び出すこともあったかもしれないし、不幸中の幸いだったかなと思います。」

事故の現場は片側2車線の国道3号で、決して山奥とは言えない場所です。

■福岡県 鳥獣対策係・荒木友和係長
「数が少しずつ増えてきているので、人間と遭遇する確率も高まっているということは考えられるかと思います。シカがエサを求めて移動をするということで、少しずつエリアが広がっている可能性はあるかなと思います。」

福岡県によりますと、県内には2020年度末で推定2万7400頭のシカがいて、10年ほど前と比べると1万頭以上増えているとみられています。JRの列車がシカなどの野生動物とぶつかる事故も、たびたび発生しています。

JR九州全体では昨年度、500件の事故が発生していて、ことし8月は、1か月で97件発生しました。9月から11月はシカの発情期で、特に、この時期は列車と動物の事故が増えるということです。

シカとの衝突を避けるためのポイントをJAF=自動車連盟に聞きました。

■JAF福岡支部・佐藤勇夫さん
「こういった幹線道路、特に郊外の方であれば『動物が飛び出してくるのを常に意識しなさい』というのも難しいと思うのですが、法定速度はしっかり守っていただく。車間距離も十分にとっていただいたうえで、周りの状況をしっかり見ていただくというのが大切になってくる。」

JAFの佐藤さんが今回の動画を見て気づいた点がありました。

■佐藤さん
「前の車が通過して、自分が同じ場所を通るのに2秒、3秒空けましょうと。そうすると、20~30メートル十分に空く。この動画を見ていると2秒、3秒ちゃんと空いている。安全運転を気を付けている人でも、やはりこうやって避けようがないこともあるんだなと思います。」

野生動物にはいつどこで遭遇するか分かりません。車を運転する時は『もしかしたら出会うかもしれない』という心づもりでハンドルを握ることが必要です。