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ビジョンは“王イズム”の継承と“美しさ” ホークス新たな指揮官誕生に福岡の街は 

2023年10月23日 17:59
ビジョンは“王イズム”の継承と“美しさ” ホークス新たな指揮官誕生に福岡の街は 

プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの新たな指揮官が誕生しました。2軍監督から昇格した小久保裕紀新監督が23日、就任会見に臨みました。小久保新監督は「リーグ優勝・日本一」を力強く宣言しました。

23日午前10時、多くのフラッシュがたかれる中、壇上に上がったのは小久保裕紀新監督です。

■福岡ソフトバンクホークス・小久保裕紀 新監督
「球団から求められたことは、当然勝つこと。3年間優勝を逃しているという現実に向き合い、パ・リーグ優勝、日本一を目指し て戦うことは当然の務めであり ます。」

現役時代に放ったホームランは歴代17位の413本です。打線の要としてチームを支え、抜群のキャプテンシーでホークスをリーグ優勝5回、日本一3回に導きました。

今シーズンは2軍監督として、ウエスタンリーグ優勝・ファーム日本一をつかんだ小久保新監督が来季に掲げるビジョンについて語りました。

【王イズムを継承へ】

■小久保 新監督
「王監督時代に築かれたイズムというのもを継承しながら、いま一度チームに浸透させられるように努めていきたいと思います。1軍選手の戦いを時間が許すかぎり見てきました。その中で、美しさ・美意識と言ってもいいと思うんですが、そこが一番欠けているんじゃないかな。ともに歩む首脳陣・選手達といかに美しくあるかということを、お互いの共通認識として持ち合わせながらチームを作っていきたい。」

自身の根幹ともいえる“王イズム”の継承に加え、あげたのが“美しさ”でした。

【美しいチーム作りとは】

■阿部まみキャスター
「美しいチーム作りとは具体的には?」
■小久保 新監督
「それを言ってしまうと、強制になるので。そこはモラルとして、浸透できるようにコーチ陣と頑張っていきます。」

具体的な“美しさ”については明言せず、メッセージとして伝えることを選手たちにはくみ取ってほしいと述べました。

会見に同席した王貞治会長は、次のように述べました。

■福岡ソフトバンクホークス・王貞治 会長
「若い選手とともに来年からホークスの野球、優勝を目指す、取り戻す。そういう野球をやってくれると、そのように思います。ただただ、私は彼に期待するのみであります。」

自身と同じ監督となった“まな弟子”に、全幅の信頼を寄せました。

【福岡の街の人は】

福岡の街の人も、小久保新監督誕生を祝福します。

■20代
「昔からチームのリーダーという印象が大きいので、その面では期待しているというのはありますね。」

■50代
「新生ホークスに、いい方向でなってくれたらいいのかなと思います。」

■阿部キャスター
「いま小久保新監督が現れました。新監督就任後、初めての全体練習がこれから始まります。」

会見を終えた小久保新監督は、スーツからユニホームへと着替え、PayPayドームでの全体練習に合流しました。

【全体練習で「選手に向き合う」】

■小久保 新監督
「勝利の女神は細部に宿る。普段の振るまいであったり、言葉遣い・礼儀は、最後間違いなく勝敗に直結すると思う。細かいところに口を出すかもしれないが、それは最後の1勝を取るためだという思いで取り組んでいきたい。選手にしっかり向き合いながらやります。よろしくお願いします。」

さっそく、求める“美しさ”のマインドを注入し、来季も背負うと明言した背番号90のユニホーム姿で、汗を流す選手たちを見守りました。

【戦力外選手が別れのあいさつ】

そこに、ユニホームではなくスーツに身を包んだ森唯斗投手と嘉弥真新也投手の姿がありました。22日に球団は、この2人を含め、7選手と来季の契約を結ばないことを発表しました。

ただ2人は、悲壮感を見せることなく、時折笑顔を浮かべながら別れのあいさつをしていました。

■来季戦力外・森唯斗 投手
「10年間やった球団なので、そこは寂しい気持ちはありますし。 かといってや野球人生はまだ終わっていないので、まだまだ勝負したいですし。お世話になりました。」

■来季戦力外・嘉弥真新也 投手
「悔しいが一番ですけど、現役続けたいので、取ってもらう球団がないと続けられないので、何かしらアピールできる場所があればいいなと。」

そして、ロッカーの荷物とともに現れたのは、上林誠知選手です。去年5月には右アキレスけん断裂の重症を負うなど、近年はケガに苦しみました。

■上林誠知 選手
「ケガにも勝って、何とかくつがえしたかった気持ちでことしや ってましたけど、頭では動きたいけど動いてくれないというのがずっとでしたし。」

育ててくれたのはホークスだと、球団への感謝とともに現役続行へ「自信はある」と話し、球場をあとにしました。

来季はキャプテン制をなくすことを明言するなど、さっそくチーム改革に手を付けた小久保新監督によって、チームはどのように生まれ変わるのでしょうか。