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【東北地方を中心に相次いだ熊の被害】指定管理鳥獣に指定も…捕獲現場では深刻な課題・福島

2024年4月27日 7:00
【東北地方を中心に相次いだ熊の被害】指定管理鳥獣に指定も…捕獲現場では深刻な課題・福島
2023年度は、の餌となる木のみの不作で、東北地方を中心に過去最多となる、人身被害が発生しました。

こうした状況を受け、環境省は、4月、対策などに国の交付金が活用できるようになる「指定管理鳥獣」に、熊を指定しました。

ただ、捕獲にあたる現場では、ある課題が深刻です。

2023年度、全国で相次いで発生した熊による人的被害。

東北地方を中心に、過去最多となる198件、219人の人身被害が発生し、6人が亡くなりました。

こうした状況を受けて、環境省は、4月、熊を「指定管理鳥獣」に指定しました。

「指定管理鳥獣」に指定されると、都道府県による捕獲や生息域などの管理、対策などに国の交付金を活用できるようになります。

指定を受けて、県は「環境保全も考慮して、専門家と協議しながら捕獲数などを検討したい」としています。

ただ、熊の捕獲にあたる現場は、今、ある課題が深刻です。

話を聞いたのは、県猟友会・会長の芥川 克己さんです。

■県猟友会 芥川 克己 会長
「全体的にどこの県も同じだが、狩猟する人は年齢がずっと上がっている。ほとんど若手がいないんですよね。現場に出るのは年配者なんですよね」

狩猟する人の高齢化です。

今は、若い世代のなり手がほとんどいないと言います。

2023年度2640人いた、県猟友会の会員も、その半数は70歳以上と高齢化が目立っています。

芥川さんが暮らす会津坂下町では、50年ほど前、猟友会の会員は、200人ほどいましたが、現在は、20人ほどだといいます。

一方で、この人手不足の中で、熊の捕獲数は増えていて、2023年度、会津坂下町で捕獲された熊は、21頭と例年の2倍に上がりました。

会津地方では3月、会津若松市の東山温泉に熊が出没。

空き家に侵入し、現場は一時、騒然となりました。

県警の2024年のまとめでは、4月15日時点の熊の目撃件数は33件と、2023年の同じ時期と比べて、その数は3倍にまで増えています。

餌を求めて、熊が例年より早い時期から活動しているのが、要因とみられています。

■県猟友会 芥川 克己 会長
「有害で出た場合のクマの捕獲はみんなやるが、あえて指定管理事業に入ったからといって、特別、熊を追いかけて取ろうかという人は、さほど出てこないのでは…」

すでに「指定管理鳥獣」に指定されている、ニホンジカやイノシシの場合には、捕獲すると、1頭当たり数万円もらえるということですが、そもそも人手がいないと、対応はできないといいます。

人材育成という大きな課題をどう克服するか、対策には、今後、さらなる工夫が求められそうです。

(2024年4月25日放送「ゴジてれChu!第Ⅲ部」より)
※動画内のデータは、放送時点のものです。
最終更新日:2024年4月27日 7:00