「覚えている」熊の目撃相次ぐ理由…食べ物の場所を記憶か 福島
先週、県内では会津地方で2件の熊の人的被害が確認されました。夏の今は、山のエサが少なくなるため、山から人里に、熊が降りてきやすくなると言います。専門家もより一層の注意を呼びかけています。
毎年、この時期は熊の目撃情報が相次ぎます。見かけただけで済めばいいのですが、県内では先週人への被害も確認されました。喜多方市では70代の女性が熊にひっかかれ軽いけがを…。会津美里町では70代の男性がやぶから飛び出してきた熊に襲われ、右目付近に大けがをしました。相次ぐ人的被害を受けて県は、中通りと会津に「ツキノワグマ出没特別注意報」を出して、被害に合わないよう呼びかけています。
■警察官
「熊の広報活動をやってました、今後熊が増えてきますのでお気をつけください」
福島市では県の職員などが熊への注意を呼びかけるチラシを配りました。今年になってからの県内の熊の目撃件数は、6月28日までで307件と過去最多のペース。専門家はより一層の注意を呼びかけるとともに、熊の目撃が相次ぐ理由を次のように指摘しています。
■福島県野生動物調査専門官 溝口俊夫さん(獣医師)
「(熊が)去年下に降りてきて、食べ物(の場所)を覚えている。そのためにことしは熊の目撃情報が多い状況」
去年、全国的に熊のベビーブームがあった一方、エサの不作で、人里に下りて食べ物を探す熊が多かったといいます。そのエサのありかを知った熊が、ことし、また同じ場所に出てきていると考えられています。
■福島県野生動物調査専門官 溝口俊夫さん(獣医師)
「(福島県は)これだけ自然の豊かなところですから、当然、熊も側に出てきている 避けるような行動を取っていただくことがとても重要なこと」
溝口さんによりますと、夏場は山のエサが少なくなる時期で、果樹園や農地で熊の出没が多くなるそう。県は目撃情報の多い地点に専門家を派遣し、パトロールをするほか、現地調査を通じて熊対策を話し合う方針です。