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【特集】受け継がれてきた伝統行事 子どもたちの最後の『新庄のはやし田』に密着

2024年6月8日 7:30
【特集】受け継がれてきた伝統行事 子どもたちの最後の『新庄のはやし田』に密着

2025年に閉校する広島県北広島町の新庄小学校で、大事に受け継がれてきた伝統行事があります。農村の娯楽として親しまれてきた花田植えを、子どもたちが学校教育の中で受け継いできました。学校の閉校と合わせて最後となった花田植えに密着しました。

太鼓や笛の音が響く中、早乙女役が苗を植える花田植え。5月下旬の中国山地では、稲の豊作を願って盛んに行われ、農村の娯楽として愛されてきました。

■地元住民
「初めて見に来たんですけど、牛までいてびっくりしました。」
「小学校の頃に飾り牛は来なかったですけど、太鼓を叩いたり。僕らの時はバケツを叩いてね、運動会でやったり。田植えは小学校の前でやったりしてたんですけど。」

山間部に位置する北広島町新庄では、大正時代から農村の娯楽として『新庄のはやし田』が受け継がれ、親しまれてきました。『新庄のはやし田』の特徴は、テンポの早い八調子で一節を歌い終えるまでに、苗8株が植えられたと言われています。

地域唯一の学校が新庄小学校です。小学校が開校したのは1873年(明治6年)。ピーク時には375人の児童が通っていました。令和の現在、児童数は23人にまで減少し、2025年3月末で151年の歴史に幕を下ろすことになりました。それと同時に、学校教育の中で取り組んできたはやし田も、2024年で最後となりました。

新庄小学校に通う小学校6年生の三上心菜さんは、はやし田を楽しみにしています。心菜さんの母親・春菜さんも、小学生の頃からはやし田に親しんできました。

■三上春菜さん
「私の時は3、4年生が早乙女で、5、6年になったら囃子のどれか。私の時は着物みたいなのはなかった。体操服でやっていた。」

■三上心菜さん
「昔は人数が多いから、その分楽しそうだったな。」

三上さん親子にとって、最後のはやし田です。自然とさみしさががこみ上げます。

■三上春菜さん
「この長い期間やってきたことが終わるんだと思うと、寂しいような感じはしますね。」

■三上心菜さん
「ずっと昔から続いてきてるのは、めっちゃすごいなと思います。」

2日後に迫った本番に向けて、子どもたちも練習に熱が入ります。最後の調整に余念がありません。

■三上心菜さん
「大勢の人に学校で見られることはあまりないので、緊張するかもしれないけど、練習してきた成果を最後のところで発表したいです。」

子どもたちはこの日、時間を目一杯使って最後の仕上げに打ち込みました。

当日の朝を迎え、緊張している子どもたち。心菜さんも衣装を身に着け、準備万端です。そして、舞台となる田んぼに到着しました。

■児童
「僕は、この日をとても楽しみにしていました。児童の皆さん、田植えを楽しんで頑張りましょう。」

飾り牛が田んぼへ入り、いよいよ本番です。学校の行事としては最後の『新庄のはやし田』。子どもたちは笛や太鼓、早乙女役などに分かれ、堂々の演技を披露しました。

■児童
「上手に踊れたりして、楽しかった。」
「(はやし田が)なくなるのは悲しいから、伝統をずっと続けてほしいなと思いました。」

■三上心菜さん
「大朝へ行っても、大朝小の人と一緒に田植えが出来たらいいなと思います。」

2025年4月から大朝小学校へ統合が決まっている新庄小学校。新庄の子どもたちは、大朝小学校で伝統が受け継がれることを願っています。

【2024年6月5日放送】

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