【特集】「何があっても前を向く」 難病と闘う人気和食店の店主 波瀾万丈の自伝小説を出版 広島
2月に発売された一冊の本。タイトルは『なにくそ!ライゾウさん』。筆のまち・熊野町の人気料理店が舞台の「自伝小説」です。波瀾万丈の人生、そして、現在難病と闘う作者がこの本に込めた思いを取材しました。
■『なにくそ!ライゾウさん』(一部抜粋)
「残された人生の中で、どこまでのことが私にできるのか。そんなことは誰にも分からないが、何もしない理由にもならない。」
熊野町の料理店「おか半総本店」で、お得意さんたちを集めて自伝小説の出版を祝うパーティーが開かれました。主役の岡崎磊造(おかざき・らいぞう)さんは、療養先からリモートで参加しました。
熊野町に生まれ育った磊造さん。手のつけられないほどのガキ大将だった少年は、18才で料理の道に入り、26才で晴れて自分の店を持ちました。
■磊造さんの同級生は…
「小学校から同級生。磊造くんがずーっとおるんで、同級生がついていきよった。リーダーなんです。」
波瀾万丈の人生。70才を前に「重症筋無力症」という大病を患いました。筋力が低下し、呼吸困難になるケースもある難病と闘っています。
磊造さんの自伝を本にしたのが、次男のマサアキさんです。父が書きためていた原稿を見つけたのがきっかけでした。
■次男・岡崎マサアキさん
「自慢話ばっかりなのかな?と思って読んだんですけど、意外とおもしろくって。磊造さんが見せない弱さだったり、葛藤だったり。本当はすごく人が好きで、ふるさとが好きで、家族とか従業員のために何とかしたい。そういうことがいっぱい書かれていて。もっと色んな人に、見て頂いてもいいものじゃないかなって。」
離婚や失業、多額の借金などの挫折を味わうたびに、「なにくそパワー」で乗り越えてきました。ポジティブな言葉が、生きざまを表しています。
パーティーには、地元の高校生も参加していました。
■参加した高校生
「マサアキさん自身の中での、お父さんの像を教えて頂きたいです。」
■次男・岡崎マサアキさん
「結構、はた迷惑な人なんです。いろんなアイデアマンで、自称ですけど。思いついたことをガンガン前に進めていって。一人でやるんならいいですけど、家族とか従業員とかみんなを巻き込んで。失敗することも多々ある。でも、めげない。」