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高校授業料無償化でどう変わる? 広島での影響は?

2025年3月14日 19:44
高校授業料無償化でどう変わる? 広島での影響は?

自民党・公明党・日本維新の会の3党が、高校授業料無償化について合意し、その内容が含まれた来年度予算案が衆議院で可決されました。
まず、現在の授業料からおさらいしましょう。

現在の公立高校授業料は年間11万8800円です。(月額9900円)
一方、広島県の私立高校の平均は年間43万3851円。(月額3万6154円)

これに対して国から就学支援金として年額11万8800円が支給されます。
ただし、家族構成によりますが世帯年収がおおよそ910万円までの所得制限があります。
私立に通っている生徒にはは39万6000円まで加算されますが、世帯年収590万円までという制限があります。

これがまず、今年4月に910万円の所得制限がなくなります。すべての世帯に11万8000円を支給します。
ただし私立に通う家庭の所得制限はそのままです。

来年4月からは、私立高校についての所得制限もなくなります。
さらに、支給額も最大45万7000円まで引き上げられ、実質的に私立の授業料も無償化されます。

高校無償化について街の人に聞きました

■2人の子どもが社会人の主婦
「2人子どもがいたから、1人は私立に行ったりして家計的には大変だった。プラスで塾のお金もかかるし、 無償化されたらいいと思います」

■3月で公立高校を卒業
「私立だったらきれいというのも あるし、若い人から見たら、私 立って公立しかダメって言われている人もいると思うし、憧れるところもあるんじゃないか」

■娘が4月から公立高校生
「授業料だけですよね。受験料関係ないですよね。そっちの方が受ける側には大きかったので、その辺も考えて欲しい」

■娘が4月から公立高校生
「公立はいいと思うけど、私立は今のままで、学費は高くてもそこに行きたいという人が行かれたらいいんじゃないか」

先月行われた広島県の公立高校の最終志願倍率は平均で0.98倍。
今の制度になってはじめて1倍を割りました。また全日制本校84校のうち53校で定員割れでした。

さらに、去年から独自に段階的に高校無償化をスタートさせた大阪府では、今年の全日制の公立高校入試の平均倍率が1.02倍と、2年連続で過去最低となりました。
また、75校ある普通科では、半数近くの35校が定員割れとなっています。
「私立高校に生徒が流れたのでは」と指摘する声もあります。

広島ではどのような影響が予測されるのか聞きました。

広島市の比治山女子中学、高校は私立高校が無償化になる2026年度から男女共学となります。
無償化で私立学校間の競争が激しくなると予測します。

■比治山女子中学・高等学校 大林 秀則校長
「タイミングとしては偶然のタイミングになっているけど、(無償化は)選んでもらう大きなポイントに なる。高校の最終的なところは進路実現になるので、本校は多様な進路希望を持った生徒がいますから、面倒見の良い学校というところ をアピールしていきたい。」

多くの受験生を指導する学習塾は中学受験にも影響する可能性を指摘します。

■長井ゼミハンス 伊藤仁さん
「高校から入学できない私立一貫校で人気校が広島県はたくさんある。高校から入学できないので中学3年間は学費がかかるけど、 高校で授業料が無償化になるの であれば、今の時点でそこを目指そうと考える家庭が増えてもおかしくはない」

一方で注意してもらいたいのは、無償化になるのは授業料だけです。

広島県の私立高校の場合、入学初年度は授業料の他に入学料、施設整備費など、平均であわせて70万3831円かかります。
こちらもしっかり計算に入れて「こんなはずじゃなかった」とならないようにしてください。
こどもの選択肢が広がるのは歓迎すべき事です。
同時に、少子化の中で公立高校や私立高校の存在の意義や目的、無償化による影響をしっかり見極めていく必要がありそうです。
【2025年3月14日放送】

最終更新日:2025年3月14日 19:46