【特集】定期テストがない!? TikTokだけで高校を変える校長の挑戦 常識を覆す学校改革で日本一行きたい学校へ!
広島県内の私立高校の校長が今、SNSのTikTokで注目を集めています。動画のテーマは「学校改革」。挑む思いを取材しました。
■TikTok動画
「わしは、TikTokだけで高校を変える校長。若者の意見を尊重せんといけんのに、TikTokも知らない。インスタも知らない。Facebookしか使いません。なんて古すぎる。TikTokのコメントで高校を変えよう。厳しい校則。つまらん授業。全部じゃ。」
今、話題沸騰中の『TikTok校長』。開始から1か月半ほどで、フォロワー数は2.4万人。動画の総再生回数は520万回です。
広島県瀬戸内高校の校長の安藤正晴さんは、広島桜が丘高校の校長も兼任する、県内では唯一無二の存在です。
■TikTok校長 安藤正晴さん
「反響の大きさに驚いている状況でもあり、これだけフォローしてくれているというのは、私自身が今後、大きな一歩をちょっと踏み出そうかなという勇気になっているのも事実です。」
6年前、46歳の若さで校長に就任。早速、始めたことがあります。
■TikTok校長 安藤正晴さん
「週休2日にして、7時間目もやめて、定期試験も今やめているんですけど。」
型破りな安藤校長が、両校で最も力を入れている授業があります。生徒自らが課題を見つけ、協力しあって解決する「探求の授業」です。題材は、ゲームなど生徒たちの関心が高いものを活用し、コミュニケーション能力や主体性の向上などを期待しています。
■生徒は…
「みんなで話し合う力が、ものすごくついたなと感じます。」
「周りの人と自信をもって話したりできるので、コミュニケーション能力が高くなったりできるので、自分的にはとても楽しいです。」
■TikTok校長 安藤正晴さん
「管理教育だったのを全部やめて、生徒の自主性とか主体性を、どんどん伸ばしていきたいというのが、最大目標で始めました。」
改革を始めて3年で、国公立や難関私立大学の合格者数が5倍に急増しました。
■教員は…
「始めは不安だったのですが、探求していくうちに、生徒が自分たちで考えられるようになり、一年間だけでもすごく成長を感じることができたので、とてもいい改革だなと。」
学校改革への意欲は、部活動の顧問時代に培われていました。瀬戸内高校サッカー部で19年間監督を務め、チームを創部初の全国ベスト4に導きました。
■TikTok校長 安藤正晴さん
「サッカーを強化するにおいても、最後は子どもたちが自分で考えてやってくれた時が成果も出るし、僕ら指導者も選手から教えてもらうことの方が多かったので、校長という役職をいただいた時に、校長としてチャレンジしたかったことです。」
さらに、この改革を全国に発信しようと、2025年から取り組むのがTikTokです。校長の思いを形にするのは、長男の大弥(ひろひさ)さんです。SNSの運用代行業を営んでおり、最高のパートナーです。
この日は、学校で撮影です。
■長男・大弥さん
「セリフが、『校長室に怒鳴り込んできた先生がいたのでさらします』。」
学校のトップも、長男からの指示には逆らえません。
■長男・大弥さん
「ここらへんに、体操座りをしてもらって…」
完成したシーンが、こちら。
■TikTok動画より
「でも正直、不安な点はたくさんあって、先生に怒られるのは覚悟していた。」
撮影では、苦戦する場面も…
■TikTok校長 安藤正晴さん
「たしかに、ドウガッ投稿を始めて3本…」
■長男・大弥さん
「もう一回。噛んでる。」
■TikTok校長 安藤正晴さん
「たしかに動画投稿を始めて3本で大きな反響をいただいた。総再生カンスウ・・・」
■長男・大弥さん
「もう一回行きましょう。」
■TikTok校長 安藤正晴さん
「これ、一個ずつきってもいいじゃん!」
何度も撮りなおしたシーンが、こちら。
■TikTok動画より
「ええええ~!たしかに動画投稿を始めて3本で大きな反響をいただいた。総再生回数300万越え。総いいね数は12万いいね。総コメント数は4000件。フォロワーはなんと3週間で1万4000人。」
■TikTok校長 安藤正晴さん
「こんな学校にしたい、こんな生徒たちに期待するんだと僕も結構しゃべるので、彼が『手伝うよ』って言ってくれたから、おれは『お金は払わんよ』って言ったが、彼なりにいろんな思いがあって作ってくれて、それで今があるというような状況です。」
■長男・大弥さん
「3年前に高校生だった時に「こんな校長がいたらよかったな」とか。校長先生がTikTokやっていたら、生徒たちもコメントしたり、気軽に校長先生に話しかけられるので、いいかなと思っています。」
TikTokを頑張る安藤校長。生徒たちの印象は…
■生徒たちは…
「普通の学校では、あまりないので珍しいなと思って。自分も人と違うことをやっていきたいので、そういうところは憧れています。」
「(コメントで)誹謗中傷がくると思うんですけど、そういうのが来ても、めげずにやっていたので、すごいと思いました。」
■TikTok校長 安藤正晴さん
「結構めげるんよ、これ。結構心痛むんよ。いっぱい応援があるが、100件に1件誹謗中傷が来たら、胸が痛くて口内炎3つも4つもできたんだから。」
忙しい日々の中、週に一度は親子でここに集まります。盛り上がるのは、いつも教育についての話題です。
■TikTok校長 安藤正晴さん
「動き始めとる。学校で(TikTokを)やっている校長先生が出とるのが、増えてきた。」
■長男・大弥さん
「生徒しか、今まで注力していなかったけど、今までの高校のSNSは。でも、とうとう校長が出始めたね。」
良き理解者とともに、改革を進めるTikTok校長。その影響力は、全国にも広がっているのかもしれません。少子高齢化が進む現代、安藤校長が描く夢は…
■TikTok校長 安藤正晴さん
「日本一行きたい学校にしたいですよね。学力とかで人をはかるのではなくて、それぞれみんないいところがあるので、そこを拾っていける。教員はそのサポートで、そんな学校にしたいですね。」
【テレビ派 2025年3月12日放送】