×

戦後80年 オバマ元大統領に禎子さんの折り鶴を寄贈 オバマ氏「広島のために協力したい」

2025年3月3日 19:09
戦後80年 オバマ元大統領に禎子さんの折り鶴を寄贈 オバマ氏「広島のために協力したい」

原爆の子の像のモデル、佐々木禎子さんが病室に飾っていたとみられる折り鶴が新たに見つかりました。甥の祐滋さんはこの折り鶴をハワイに持参し、アメリカのオバマ元大統領と対面しました。

2月25日、羽田空港に佐々木禎子さんの甥の祐滋さんの姿がありました。

■佐々木祐滋さん
(鶴取り出す)「これなんですけどね。けっこう形がくずれてる」

2024年末に見つかった禎子さんの「折り鶴」。長年、思いを寄せてきた人に贈る予定です。

■佐々木祐滋さん
「オバマさんに渡そうって言って。そのために出てきたんだろうって」

2016年。オバマ氏はアメリカの現職大統領として初めて広島を訪れました。

原爆資料館で足を止めて見学したのが、禎子さんの「折り鶴」でした。
禎子さんは2歳のときに被爆し、10年後に白血病を発症。「生きたい」と願い鶴を折り続けましたが、12歳で亡くなりました。

■原爆資料館 志賀賢治元館長
「膝をかがめてこんな風にして、まさに折り鶴をのぞき込んでおられた」

オバマ氏は、アメリカから持ってきた鶴を広島の小中学生に手渡しました。

■佐々木祐滋さん
「オバマさんが折り鶴を広島・長崎のために折ってくれた思いに対して、折り鶴を折ることを広めた少女の禎子の親族として、すごくうれしかった。オバマさん個人にぜひ遺品の鶴を受け取ってほしいと思って」

オバマ氏に会って、鶴を贈りたい…。地道に働きかけを続けた祐滋さんはオバマ氏の妹・マヤさんと出会い思いを伝えます。
するとおととし、祐滋さんの下にアメリカから一通の手紙が届きます。

■佐々木祐滋さん
「うわー手紙だ。ディア祐滋って書いてある」

それは、オバマ氏からの直筆の手紙…。
「折り鶴を受け取ることができるのは、とても光栄に思います」
「お会いできる機会を楽しみにしています」

ついに、オバマ氏と面会できることに。渡すのは、2024年末、禎子さんの兄・雅弘さんの自宅の仏壇から見つかった鶴です。

■佐々木祐滋さん
「真ん中に穴があいている。病室につるしてたやつなんじゃないかって、父が言ってて」

病室につるしていた鶴は、禎子さんの死後ともに火葬されていたため、初めて見つかったとても貴重なものだといいます。特別な一羽を持って、祐滋さんはオバマ氏のもとに向けて出発しました。
到着したのはハワイ島。
2月26日、オバマ氏の別荘で面会が実現。

直接、折り鶴を手渡しました。オバマ氏からは「広島のために一緒にできることがあれば協力したい」と、感謝の言葉があったということです。

■佐々木祐滋さん
「本当にまだ夢みたいですけどね。本当に感慨深いです。日本とアメリカがひとつになって広島から世界へ平和を発信できる大きな自信になった。平和の発信を被爆80年広島の地から、日本から行動を起こせるような、ひいては今起きている戦争がまずは終結できるような、そういうことに繋がればいいかなと思います」

最終更新日:2025年3月3日 19:09