将棋が子どもの成長に影響!? プロ棋士を目指す6歳の自主トレに脱帽… 脳や心へのメリットばかりの将棋の魅力に迫る!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は、子どもの脳と心を育てる「将棋」の魅力をお伝えします。
将棋の人気が再燃!?
2023年は、藤井聡太さんが前人未到の八冠を成し遂げ、流行語大賞にノミネートされるなど、将棋に注目が集まっています。藤井八冠の人気は、将棋で培われたその人間性にもあります。
取材したのは、広島市中区舟入のビルの2階にある将棋ひろばです。将棋歴に関係なく、老若男女、誰でも通える将棋道場です。以前、広島市中区の金座街に、プロ棋士を5人輩出した広島将棋センターがあり、2年前、その歴史を引き継ぐ形で開設されました。
運営するのは、広島将棋会・世話人の矢野啓太(けいた)さんと女将の文香(ふみか)さん夫婦です。藤井八冠が5歳から将棋を始めたことが話題となり、将棋ひろばにも「何歳から始められますか?」といった問い合わせが多いそうです。個人差もありますが、4歳くらいからぎりぎり覚えられるとのことです。
将棋ひろばでは現在、文化庁公認の子ども向け将棋体験講座を行っています。5歳から12歳の10人ほどが通っていて女の子の姿もあります。
大人顔負けの年長さん棋士
そんな中、将来有望な少年がいました。体験講座に通う6歳の森本響士(ひびと)君、幼稚園に通う年長さんで、将棋を始めて1年半です。駒を指すしぐさなど、大人顔負けです。5歳の時、3歳上のお姉さんが持っていた将棋のおもちゃで遊ばせたところ、目覚めたそうです。毎日、幼稚園へ行く前、夕ご飯のあと、寝るまでの2時間、詰め将棋などの自主トレするほど、熱中しています。ひびと君に夢を聞きました。
■森本響士くん
「将来はプロ棋士になりたい。藤井聡太君みたいになりたい。」
こちらは、ひびとくんの将棋日誌です。お勉強中のひらがなを使って、自分なりに将棋の記録をつけています。
オンライン対戦の勝ち負けや、詰将棋の挑戦数など、毎日将棋をしているのが分かります。このファイルを見た、かけこみクリニックでお馴染みの、心療内科医の長井敏弘先生は…
■心療内科医の長井敏弘先生
「右脳がありますよね。右脳はイメージ脳なんです。ですので、かなり先までいけるのではないでしょうか。6歳くらいから右脳を鍛えると、将来すごいですよ。」
広島市内に住む祖父と、将棋を差すことがたまにあり、いいコミュニケーションになっているとのことです。ご両親によると、将棋を始めたことで、ひびとくんに、集中力が続くようになったり、話すことが論理的になるなどの変化があったそうです。
将棋がもたらす脳へのメリット
将棋ひろばの世話人の矢野啓太さんに、子どもが将棋をするメリットを教えてもらいました。
<想像力が豊かになる>
将棋をする人は、頭の中に将棋盤ができて、頭の中で駒を動かすそうです。そうすることで、想像力が豊かになります。
<論理的思考力が鍛えられる>
将棋は、何手も先を読むので、将棋以外でも先を読むことができるようになります。「こうなるから、次はこうなる」というように、原因と結果を整理して、考えることができるようになるそうです。
<集中力が身につく>
将棋広場に通う小学生になる前のお子さんも、ずっと座って熱中しているそうです。
心へのメリット
続いて、心へのメリットです。
<礼儀が身につく>
将棋ひろばの子どもたちは、静かに勝利を受け止めます。自分が勝っても、負けた人へ配慮ができるようになります。矢野さんは、「長くやっていると、教えなくても自然と礼儀正しくなる」と話します。
<謙虚になる>
色んな人と将棋をしていくことで、上には上がいることに自然と学ぶそうです。
<異年齢交流>
取材した日、ひびとくんは6歳年上のお兄さんと将棋をしていました。子ども同士だけではなく、80歳と5歳の対局など、年齢関係なく同じルールで真剣勝負できるのが、将棋の魅力とのことです。
これから将棋を始めてみては!?
ひびとくんが通っている将棋ひろばは、週4日と祝日に開場し、子どもは月5千円で通い放題。初心者大歓迎だそうです。