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『手話ダンス』って知ってる? 手話とダンスで歌詞や音楽の世界観を表現 全国の頂点に立ったダンスチームをプレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

2024年3月1日 22:12
『手話ダンス』って知ってる? 手話とダンスで歌詞や音楽の世界観を表現 全国の頂点に立ったダンスチームをプレゼン!【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。今回は「手話ダンス」ついてプレゼンします。

手話ダンスとは、手話やダンスで歌詞や音楽の世界観を表現するものです。年齢、障がいの有無、ダンス歴などに関係なく誰でも参加できます。2023年に広島のチームが、兵庫県で行われた手話ダンス甲子園という全国大会で、全国22チームの頂点に立ち、見事優勝しました。

手話ダンス甲子園の審査委員が全員が泣いたほど、表現力がずばぬけているチームの名は「sign」です。障害のある人もない人も、中学生から50代まで14人が在籍しています。今回、signのメンバーにお話を聞きました。

signは、週に1回広島市西区横川にある障害者の就労支援施設「ポレポレファクトリー」で練習をしています。どのようなメンバーが所属しているのでしょうか。

「ポレポレファクトリー」を運営し、signの代表でもある菊田順一さんは、ストリートダンス歴35年、手話ダンス歴6年です。菊田さんは、手話のアグレッシブで豊かな表現に、ダンスとの親和性を感じてsignを立ち上げました。そして、signのキャプテン小林慶太さんは、ストリートダンス歴が26年で、手話ダンス歴は5年です。手話ダンスの魅力は、バラバラの個性が不思議な調和を生むところだと話していました。ダンス経験豊富な2人がチームを引っ張っています。

聴覚に障害がある中村友映さんは、バトントワリング歴が12年です。手話ダンスでは、音楽を聞くのが難しくても、仲間が合図をしてタイミングを教えてくれるなど助け合っているそうです。さらに、ダウン症の木村竜輝さんは、手話ダンスを始めて10ヶ月だそうです。元々ダンスや音楽が好きで、signのメンバーは「家族みたいで楽しい」と話していました。

さらに、事故で足に障害を負った松田史朗さんは、ダンス歴22年です。義足でもダンスができるところを是非見てもらって、同じ障害のある人をハッピーにしたいそうです。両親がろう者の渡邊奈緒美さんは、手話には元々馴染みがあり、手話ダンスを始めたことで、手話はこんなに思いが伝わるものなのかと、改めてその大切さに気づいたということでした。

手話ダンス甲子園の審査基準とは…?

手話ダンス甲子園の審査基準は、「ダンスパフォーマンス」「芸術性」「多様性・共生深度」「伝達・共感性」です。「共生深度」とは、メンバー同士でどれぐらい支え合っているかということです。signでは、それぞれの個性を生かして、1人1人がどうすれば輝けるのかを、いつも考えながら構成しているそうです。

「伝達」という基準も手話ダンスならではで、手話ダンスは歌詞を手話に置き換えて、ろう者にいかに正確に伝えるかということも、ポイントになります。手話は、会話がしやすいようにシンプルに作られているので、歌詞の曖昧な表現や比喩表現がないそうです。その中で、ふさわしい手話を見つけていく難しさがあります。

今回教わった手話が、人差し指を上に向ける「明日」、人差し指を真正面に向ける「君」、人差し指を下に向ける「それ」です。このように、同じ指でも、角度のずれで意味が変わります。signが手話ダンス甲子園で踊った曲も、指の角度を正確にしないと、違う曲になってしまいます。

signのメンバーは、ダンスの練習だけでなく、手話の勉強もしています。手話ダンスでは、手の表現が命となり、その手に思いを込めることで、踊る人も見る人も感動するそうです。手話を教えているのは、先述の中村さんで、「メンバーが手話を覚えたいと思っているところが嬉しいし、自分も責任を持って教えたい。」と話していました。

ダンスの中の手話にとどまらず、手話そのものの理解を深めようとしています。そこには代表の菊田さんの「手話が言語として認識され、障害のある人もない人も、誰もが安心して暮らせる社会になってほしい。」という思いがあり、手話ダンスがその一助になればとも話していました。

3月2日土曜日に広島テレビ横のエキキターレの会場で行われるイベント「ひろしまるくと」のステージで、午後3時からsignの手話ダンスが披露されます。また、広島県内の23の福祉事業所が大集合して、障害のある人が作った商品を販売します。手話と手話ダンスの魅力を生で感じてください。

【テレビ派 2024年2月28日放送】

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