香港出身社員雇用も 土地高騰やマンション建設ラッシュと向き合う不動産会社に密着
■アズマシティ開発・東伸彦社長
「そこがTSMCですね。車で10分くらいですね」
大津町にある新築の賃貸物件。2LDKの家賃は8万3000円。TSMCの子会社、JASMの工場の近くにあります。
熊本市にある不動産会社「アズマシティ開発」が管理していて、8月までにあわせて6棟が完成しましたが…。
■アズマシティ開発・東伸彦社長
「全部で300世帯あるんですけれども、約8割の入居が決まっていまして。法人契約ですとまとめて10世帯・20世帯・30世帯と数が多かったというのは結構驚いたところですね」
かつてないほどの不動産需要。この不動産会社のTSMCの工場周辺の家賃相場は、数年で1万円~2万円上がったといいます。現在は、大津・菊陽エリア全体で約4000戸の物件を管理。TSMC進出前と比べて1000戸も増えました。さらに会議にやってきたのは香港出身の社員。中国語の対応に力を入れるため、春から仲間入りしました。
■香港出身の社員・江 家希さん
「もともと台湾と香港はごみをごみ袋に入れて指定の所に捨てるだけです。わざわざ分別する人はめったにいないです」
(社長:ペットボトルを分けるとか、燃えるもの・燃えないものに分ける文化がない?)
「はい」
(社長:それを中国語で教えているの?)
「そうです。自分たちの文化とこちらの文化、生活習慣が違いますから(中国語ができると)親切感があると思います」
一方、課題となっているのが、高騰が止まらない土地の価格です。17日に公表された地価調査の結果では、TSMC周辺の3市町(合志市・菊陽町・大津町)の住宅地の上昇率が、県全体と比べると突出して高くなっています。急激な変化に不動産投資家も驚きを隠せません。
■投資家の男性
「現状いただく案件は本当に土地の価格が高くて、自分たちからすると手が出ない価格になっているのが現状」
■アズマシティ開発・東伸彦社長
「年々地価の上昇と物価の高騰で利回り(投資額に対する利益)が下がっていっている」
TSMCの第1工場に続き、第2工場の建設が始まる中、土地の価格は、どこまで高騰していくのか。住宅のニーズに応えることはできるのか…。
■アズマシティ開発・東伸彦社長
「我々としても熊本を発展させたいという思いで賃貸物件を増やしていくと。お客さんに喜んでもらえるような住環境を提供するという思いは強く持っています」