【異例】長引く暑さも原因?夏に流行する手足口病 9月に入り再び感染拡大
今、流行している感染症「手足口病」。名前の通り、手足や口の中に2ミリから3ミリの水ほう状の発疹があらわれ、発熱することもあります。通常、5歳以下の乳幼児を中心に、夏に流行する感染症です。例年、この時期は減少傾向ですが、今年は9月に再び増えています。異例の流行の背景には何があるのでしょうか。
熊本市内のクリニックには、26日も手足口病の患者が訪れました。
■なかの耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 中野幸治理事長
「舌の裏側に水ほうを伴った口内炎が見えていますね。再流行ですね。経験ないんですけどね」
熊本県がまとめた今年の手足口病の感染者数の推移をみると、例年と同じように8月にかけて感染が広がり、1週間あたりの感染者が700人を超えています。本来ならこの後、収束するはずですが、9月もじわりと感染者が増加。26日に発表された最新の感染者は1週間で203人と、依然として多い状況です。
9月になってもおさまらない手足口病の流行。医師は、暑さの影響を指摘します。
■なかの耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 中野幸治理事長
「長引く夏の暑さによって、もしかしたらウイルスが増えてくる環境がそろっていて、もう一回増えたのかな」
収束の気配がない手足口病。約120人が通う熊本市のこども園では…。
■大江こども園 永田加代子園長
「一度治ったかなと思ったら、またぶり返すのが続いて、今年はいつになく手足口病がひどかったように感じています」
このこども園では、6月から夏の時期にかけて子どもの手足口病の感染が拡大しました。今も、食事の前や遊んだ後に手洗いを行うほか、おもちゃなどは子どもの口に入っても問題ない次亜塩素酸水を使い、消毒を徹底しています。
■大江こども園 永田加代子園長
「こちらとしては感染が広がらないような努力ですね、職員が努力したり、保護者にお願いしたりできる限りの感染拡大を防げるような努力を今後とも続けたい」
手足口病は、症状がなくなった後も便などからウイルスが排せつされることがあります。治っても油断せず、対策を続けることが大切です。
【スタジオ】
手足口病は、治療に有効なワクチンや薬がないため、日頃から予防を心がけることが大切です。なかの耳鼻咽喉科の中野幸治理事長は、発疹の内容物で感染することもあるため、ドアノブなどの消毒も大切と話していました。