｢一時的に預けていた｣木村知事が当選後に届いたコチョウランを医療機関などに持参

3月に行われた熊本県知事選挙で当選した木村敬知事が、当選後に届いたコチョウランの花を熊本市内の医療機関などに持参していたことがわかりました。木村知事は｢一時的に預けていた｣と話し、公職選挙法で禁じられている寄付行為にはあたらないと説明しました。

木村知事によりますと、3月に行われた県知事選挙で当選した後に、当選を祝うコチョウランが選挙事務所に届きました。事務所は3月末までの契約だったため、知事や妻が約10鉢のコチョウランを熊本市内の医療機関など7か所に持参したということです。

このうち、熊本市の医療機関に飾られたコチョウランには、｢木村知事から贈られた｣という趣旨のメモが添えられていました。公職選挙法では、政治家や政治家になろうとする人による選挙区内での寄付行為を禁じています。

これについて1日、木村知事は次のように説明しました。
■木村敬知事
「(医療機関の)スタッフの方が、木村さんからもらったと誤解して、ポップなどを作るのは誤解であり、私も軽率だったと思っています」

木村知事は、知事公邸に移るまであくまで一時的に預かってもらっていたとして、｢寄付行為にはあたらない｣と説明しました。
■木村敬知事
「誤解を招くことであったことは、私も大変深刻に受け止めてはいますが、花を捨てたくない、何とか預かってもらいたいというところで、お預けにあがったということでございます」

選挙を所管する総務省では、｢一般論として、コチョウランを贈呈した場合は物品の供与とされる可能性がある｣としています。県選挙管理委員会は、今回の行為が公職選挙法に抵触するかは｢確認中｣とした上で、今後、知事に事実確認を行う予定です。

また、公職選挙法が専門の日本大学法学部の安野修右専任講師は、元総務官僚の木村知事が公選法を知らないわけがないと前置きした上で、｢たとえ『預けた』と言っても、財産上の利益供与の疑いをもたれる行為。公選法に抵触すると言われても仕方がない｣と指摘しています。