【熊本県知事選】情報収集は?重視する政策は?若者たちのホンネに迫る
2021年の衆院選と2022年の参院選の県内の投票率です。(熊本県選管調べ)
■2021年衆院選 全体52.18%(20代30.81% 10代35.25%)
■2022年参院選 全体47.82%(20代30.48% 10代28.08%)
いずれの選挙でも、若年層の投票率は低い水準にとどまっています。県知事選の投票率アップのカギを握る若い世代の本音に迫りました。
取材に協力してくれたのは、若者の投票率の向上に取り組む「NPOドットジェイピー」で活動する大学1年生の5人です。まず、選挙や候補者の情報をどうやって集めているのか聞きました。
■岩﨑愛実さん
「テレビで政治の選挙の特番があっている時に視聴して情報を得ることが多い。あとはそこでちょっと興味のある政策があった時に、ホームページなどで調べて、こういうことだったんだなと理解を深めるようにしている」
情報を得やすいツールとして挙げたのが、テレビやインターネット。その一方で、選挙運動でみられる街頭演説や集会は、多くの支持者が集まっていると近づきにくい、授業やアルバイトがあり時間が合わないなどの理由から、5人全員が参加したことがありませんでした。
また、SNSを通じて選挙に関する情報に接する機会は増えたといいますが、若者ならではのこんな答えも。
■外口莉野さん
「TIKTOKとかだと娯楽のためにやってるので、それこそ信頼がないし、面白くないから飛ばしちゃうみたいなのが多い。自分で調べるならウェブサイトで見た方がいいと感じる」
4人の新人が立候補し、16年ぶりに新たなリーダーが選ばれる今回の県知事選。「新たな知事に求めるもの」という質問には、“人柄”を重視する声が挙がりました。
■上田千智さん
「自分からアプローチしたりしてしっかり巻き込んでいくことで、 県民は『全員で熊本をつくっていこうと思う』と思う。巻き込み力を大事にして、みんなと関わって、たくさん政治に反映してほしい」
■虎﨑茉奈さん
「政策を練っていく中で、どうしても県民の協力が必要になってくると思うので、そういう時、“ついていきたい”“応援したい”と思えるような知事であってくれると」
続いて、“重視する政策”を聞きました。「教育」、「地域振興」、「スポーツ」など身近なテーマのほか、半導体関連産業の進出に伴う長期的なまちづくり政策に注目する学生も。
■白坂華恋さん
「例えば雇用だったら賃金とかが上がっていくと思うので、若者にとってもここで働きたい、家庭を持ちたいという魅力的なまちになると思うし、半導体をもうちょっとうまく活用して魅力あるまちづくり、県づくりにしてほしい」
最後に、若い世代の人たちに政治に関心を持ってもらうためにはどうしたらいいのか、意見を聞きました。
■上田千智さん
「動画で流れている方が、絶対視覚的に入ってくる方が分かりやすいと思うので、ニュースとかの切り抜きとか過去のものを見たりとかすると、より分かりやすいかなと思う」
一方、参加するにはハードルが高いという声が多かった、“街頭演説”について候補者側に注文も。
■外口莉野さん
「学生が遊ぶ所は下通りが上通しかないので、そこに学生は集まると思う。そこで話しながら歩いてもらった方が、演説より身近に感じられるし、その人の人柄や政治に対する向き合い方もそうだが、熊本に対する向き合い方とかも分かりやすいのかなと思う」
3月24日に投開票が行われる県知事選。未来を担う若者たちの選択が注目されます。
熊本市選挙管理委員会は、今回の県知事選で初めて年代別の投票率を集計します。集計したデータを分析し、投票率アップに向けた施策の検討につなげたいとしています。