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課題の「日常利用」増やす方策は?JR肥薩線の復旧復興話し合う熊本県と地元の協議会

2024年2月28日 18:28
課題の「日常利用」増やす方策は?JR肥薩線の復旧復興話し合う熊本県と地元の協議会
熊本豪雨で被災し、八代と鹿児島県の吉松を結ぶ約86.8キロの区間で運休が続くJR肥薩線の復旧復興を話し合う熊本県と地元市町村の再生協議会が28日、開かれました。課題として浮上している「肥薩線の日常利用」、具体的な方策は出たのでしょうか。

6回目となる会議には、田嶋徹副知事とJR肥薩線沿線の12市町村の首長らが出席し、非公開で行われました。熊本豪雨で被災し、部分運休が続くJR肥薩線。復旧復興策をめぐり県と地元市町村は去年12月、観光を柱とした復興方針案を示しました。これに対しJR九州は2月、観光だけでなく、沿線住民の日常利用を加えた2本柱にすべきと課題を指摘し、地元の案に慎重な姿勢を示していました。

熊本県によりますと、会議では、日常利用を増やすため、肥薩線に対する地元の意識の希薄さをきちんと振り返り検証することや、まず県や沿線市町村の職員が公務での移動で肥薩線を優先して利用すること、肥薩線の駅から乗り継ぐ二次交通の充実、子どもに親しんでもらう乗車体験などに地域一丸となって取り組むことが確認されたということです。

また市町村からは、「くま川鉄道への乗り入れなど連携が大事」という意見が出たということです。

しかし、これらのアイデアは既に復興方針案に盛り込まれていたもので、JR九州を納得させられるかは不透明な状況です。県は、JR九州からの要望に真摯に応えることが重要としています。

■熊本県交通政策課 坂本弘道課長
「我々としては、与えられた命題に対しての考えを率直にお示しする。そしてそれでご判断をいただきたいということに尽きる」
■田嶋徹副知事
「JR九州にもお返ししながら、次の会議をできるだけ早く、年度内の開催をお願いしたいと思います」

県は、引き続き蒲島知事の任期中に道筋をつけることを目指してJR九州と交渉を続けるということです。