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「日常利用の創出を」豪雨被災・肥薩線の復旧 JR九州は観光軸の方針案に慎重姿勢

2024年2月13日 18:37
「日常利用の創出を」豪雨被災・肥薩線の復旧 JR九州は観光軸の方針案に慎重姿勢
4年前の熊本豪雨で被災したJR肥薩線の復旧方法などを検討する国と熊本県と国、JR九州の会議が13日開かれ、熊本県が観光を軸に示した「復興方針案」について、JR九州は「持続可能性の確保はできていない」と慎重な姿勢を示しました。

4年前の熊本豪雨で被災したJR肥薩線は、八代駅と鹿児島県の吉松駅を結ぶ約86.8キロの区間が今も不通となっています。県と国、それにJR九州によるJR肥薩線検討会議で復旧方法などを検討しています。前回の会議では、県が観光を軸に2033年度に鉄道の復旧を目指す「復興方針案」を示していました。

これについてJR九州は13日の会議で、「観光振興だけではなく、沿線住民の肥薩線に対するマイレール意識の醸成による日常利用の創出を2本の柱として考える必要がある」と、復興方針案に慎重な姿勢を示しました。

その上で、県の復興方針案通りに復旧する場合は、「方針案に書かれた利活用策が、運行再開前に実行できる状態になることが不可欠」と指摘しました。

■JR九州 松下琢磨常務
「復興方針案に対して、まだ持続可能性の確保はできていないというふうに考えましたので、私どもの方から日常利用の創出というのを2本の柱としてご検討いただきたいと申し上げました」

■熊本県 田嶋徹副知事
「肥薩線は、これまで普段使いが非常に弱いということはありました。JR九州からこういう課題について示していただいたのは、一歩進んだと受け止めます」

県は、蒲島知事が任期満了を迎える前の今年度中の合意を目指しています。一方JRは、採算面の課題など、双方が納得することが必要として丁寧な議論を求めており、今年度中に結論を得られるかは不透明な状況です。