「東アジアハイテク産業の中心」菊陽町の今後は?"半導体の第一人者"語る展望
“半導体の第一人者”として知られ、4月に熊本県立大学の理事長に就任した黒田忠広さんとお伝えします。
(緒方太郎キャスター)
TSMCの進出以降、熊本には半導体関連企業などが相次いで進出しています。今の熊本をどのように見られていますか。
(黒田理事長)
TSMC創業者のモリスチャンさんは、2月に行われたJASM第1工場の開所式で、「日本の半導体のルネサンスの始まりだ」と日本の復活・再生へのエールを贈りました。私もTSMCの幹部から「熊本県が行政と民間で力を結集して素晴らしい仕事をしていることを高く評価している」と聞いています。
(緒方キャスター)
こうした中、菊陽町では変化が表れ始めています。
【VTR】
台湾の大手半導体メーカーTSMCの工場がある菊陽町。TSMCの進出以降、関連企業の進出や工場の増設が相次いでいます。
近くの駅にも変化が。JR豊肥線の原水駅です。朝の通勤時間帯、列車からは多くの人たちが。TSMC近くにあり企業が集まる「セミコンテクノパーク」行きの通勤バスに乗り込みます。町によりますと、運行が始まった2015年度は利用者は1日平均90人でしたが、今では1500人以上が利用する日もあるといいます。
また、交通渋滞の解消に向け、県道では多車線化の工事が行われるほか、JR豊肥線には2027年度に新しい駅の開業が予定されています。
さらに、新たな動きも。町は原水駅と開業予定の新しい駅付近の沿線北側の約70ヘクタールで、大規模な土地区画整理事業を行う方針です。計画しているのは、「知の集積エリア」の整備です。
■菊陽町 吉本孝寿町長(「吉」の字は「土の下に口」)
「ここでは従来の土地区画整理のような住宅地メインではなく、JASMが立地する町として、商業施設やホテルマンションのほか、大学や企業の研究サテライト施設の誘致など知の集積を図り先進的な町づくりをしたい」