トラックの過積載 「一度にたくさんの荷物を運ぼうと…」懸念される2024年問題の影響
11月13日、八代市の九州高速道路八代ICでで行われた取り締り。調べているのはトラックの過積載です。
法律で定められた最大積載量を超えた荷物を運ぶことを指す過積載。ブレーキの利きが悪くなる、荷崩れが起きやすくなるなど、事故につながる危険性があります。
九州運輸局によりますと、管轄する九州各県では昨年度、過積載による行政処分は10件に上りました。この日は11台中3台で過積載が確認され、運輸局や警察が口頭で指導しました。
今、過積載が懸念されているのには理由があります。それは…。
■国土交通省熊本運輸支局 平野光祐首席運輸企画専門官
「トラックドライバーの時間外労働の規制があり、2024年問題として注目されている」
物流業界の2024年問題です。ドライバーの残業時間が制限され、労働時間が短くなったことから輸送量の低下が心配されています。
その結果…。
■国土交通省熊本運輸支局 平野光祐首席運輸企画専門官
「よりたくさんの貨物を一度に運ぼうとして、荷物を積み過ぎることが懸念される」
業務の効率にも深く関わる荷物の積載量。しかし、過積載をすればドライバーだけでなく荷主にも罰則があります。
熊本県トラック協会は、荷物を積み過ぎずに輸送量を維持するには、 人材の確保が重要だと話します。
■熊本県トラック協会 下川公一郎会長
「50歳以上(のドライバー)が55%ぐらいを占めている状態で、20代が8%ぐらいしかいない。若いドライバーを我々の業界に入ってもらうようにやるのが今、一番努力しなければいけないところですね」
一方、賃金は全ての産業の平均より5%から15%ほど低い現状も。賃金を上げるために運賃も上げたいものの、理解を示す荷主はまだ一部だといいます。
■熊本県トラック協会 下川公一郎会長
「見合う運賃を荷主の方々にも払っていただかないと、多分成り立たない時代に入ってくると思います」