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【能登半島地震】現地で1週間取材したKKT記者が報告 熊本のボランティアの炊き出しも

2024年1月24日 19:09
【能登半島地震】現地で1週間取材したKKT記者が報告 熊本のボランティアの炊き出しも
1月1日の発災から3週間以上経った能登半島地震。KKTの緒方大樹記者が、NNN取材団の一員として14日から1週間、石川県の輪島市と珠洲市、七尾市と能登町で取材しました。被災地の現状についてお伝えします。

7階建てのビルが倒壊するなど被害が大きかった輪島市。

■緒方大樹記者
「地震による火災であたり一帯が焼けてしまっていて、ここがどんな場所であったかもわからない状態になっています。」

観光名所で普段は多く人で賑わう朝市も大規模な火災など甚大な被害を受けました。

輪島市でメガネ店を営む男性。
■メガネのキロク 木下伸一さん
「1階が店舗で、2階が自宅」

被災した自宅兼店舗を案内してもらうと、1階の店舗は地震当時のままでした。木下さんは被害が少なかった2階で生活しています。

七尾市では漁業に深刻な影響

■漁港近くに住む人
「津波がここまで来た」

津波の被害を受けた七尾市の漁港です。能登半島で盛んな漁業にも影響が出ていました。
■緒方大樹記者
「七尾市の漁港に来ています。堤防が崩れてしまっていて、水が道路まで流れ出しています」

この時期ナマコ漁が盛んな石崎漁港でも、船が逆さになったり、堤防に乗り上げるなどの被害が出ました。
■漁師歴64年 野崎定男さん
「漁に出られない」

地元の漁師は地震後、一度も船を出せていないと言います。この港を拠点に魚の卸売り業を営む男性は。
■宮下水産 宮下幸一さん
「収入がないですね。どうしましょう」
港に魚が上がらず、営業ができていません。

■漁師歴64年 野崎定男さん
「海もだいぶ変わった。海の底も割れている。」
海底が割れてしまい漁ができないと言います。

地割れによる道路への被害は、能登半島各地で見られました。
■緒方大樹記者
「七尾市の県道なのですが、地震で道路が壊れた影響で、連日渋滞が続いています」

通れる道が限られ、移動には通常の倍以上の時間がかかります。

能登町では熊本からのボランティアが炊き出し支援

そんな中でも、避難所には全国から支援が届いていました。能登町の避難所では、自治体からの委託を受けたボランティアによる炊き出しが行われていました。
■炊き出しのカレーを食べた人
「冷え切った体には大変ありがたい。味は女房のよりおいしい」

炊き出しをしていたのは、熊本から来た支援チームの濵﨑真さんと渡邊淳さんです。
「熊本のおいしい野菜なのでいっぱい食べてください」

カレーに使われている野菜は熊本県産です。熊本で支援物資の提供を呼びかけました。

■熊本を飲食から盛り上げる会 濵﨑真理事長
「熊本の人は地震を経験しているので状況が分かる。物資が集まるのが早かった」

自らが被災した熊本地震の経験から、すぐに炊き出しの準備を進め、自治体の委託を受けて駆け付けました。

■避難している人
「こういう時に温かいものを食べられるのはいいなと思った」
「感謝しています。ありがたいと思っています。生きてるって感じやね」

■熊本を飲食から盛り上げる会 濵﨑真理事長
「伝えたいという思いが強い。恩返しというか、恩送りというか、恩をちゃんと送っていく」
■熊本を飲食から盛り上げる会 渡邊淳副理事長
「それで支援の輪が広がって継続するといい」

断水続く 地域によっては仮復旧が4月以降の見込み

【スタジオ】
(畑中香保里キャスター)
寒い被災地で、野菜たっぷりの温かいカレーは喜ばれたでしょうね。

(緒方大樹記者)
ほっとした表情が印象的でした。能登半島の先端部分の珠洲市で取材した時、熊本市の職員にも会いました。全国各地から支援チームが来ていました。

(畑中キャスター)
避難所に避難されている方は、どんなことに一番お困りでしたか?

(緒方記者)
一番困っていたのは断水です。23日時点で、輪島市や珠洲市など8つの市と町の約4万6000戸で断水が続いています。仮復旧は早くても2月末の予定で、地域によっては4月以降の見込みになるということです。

(平井友莉キャスター)
あと数か月断水が続くのですね。熊本地震の時も避難生活の中で疲労がたまり、亡くなられた人が多かったので心配ですね…。

(緒方記者)
私は熊本県外の出身で、熊本地震を経験していません。大規模災害の被災地を取材するのは今回が初めてだったのですが、特に輪島市などは被害が大きく、この町が本当に戻るのかと思うほどでした。
ただ、熊本では地震から4月で8年を迎え、被害を受けた所もしっかりと復旧してきています。石川県も必ず復旧していきますし、その歩みを伝えることの重要性を感じました。それは熊本県の復興をこれからもKKTとして伝え続けていく意味にもつながると思います。