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【武田真一さん出演】2050年熊本の人口38万人減少!?産業が消える?熊本の未来は

2024年2月1日 17:16
【武田真一さん出演】2050年熊本の人口38万人減少!?産業が消える?熊本の未来は

「DayDay.」MCの武田真一さんとリモートで結んでお伝えします。

(東島大デスク)
去年の暮れ、熊本の将来を占う予測が発表されました。今から26年後、2050年の熊本の市町村の人口がどうなっているか、5年に1度国の機関が調査したものです。政府の人口問題対策にも大きな影響を与えている調査です。今回はこの問題取り上げます。

(武田真一さん)
私も熊本を出て30年。帰るたびに風景が変わるのを感じます。特に、私の実家のある高森町は様変わりしました。高森は熊本と宮崎や大分を結ぶ宿場町で、昔はとてもにぎやかでした。しかし今は、商店は数えるほどで、昼間でも人通りがほとんどありません。

(東島デスク)
では予測の結果ですが、熊本県全体では、2020年に174万人だった人口が、2050年には136万人と38万人も減ります。これは、熊本市の中央区と東区がまるごとなくなるのと同じです。

次に市町村の減少率ランキングです。
いちばん人口減少率が高いのは球磨村で、2433人が650人まで減ります。率にすると26.7%、4分の1になります。
(武田さん)
これはやはり、熊本豪雨の水害の影響ですね。

次が山都町で1万3000人の人口が5400人ほどまで減ります。続いて芦北町、1万5681人の人口が6800人程度になります。相良村は4070人の人口が1887人に。
町や村だけではありません。ワースト5位は上天草市です。2万4563人が1万1669人にまで減る予測です。

(武田さん)
私は能登半島地震の被災地に取材に行きましたが、輪島市や珠洲市は、実はこの調査で2050年に人口が半減すると予測された場所です。震災が追い打ちをかけることは間違いないし、金沢などに避難する人も多く、働き盛りの人はもう戻ってこないのではと専門家は見ていました。人口減少と災害によってコミュニティ消滅の危機に瀕していました。熊本の予測でも、郡部だけではなく上天草市も入っているのが気になります。

(東島デスク)
実は天草地方は壊滅的です。というのは、天草地方は平成の大合併以降、ものすごいスピードで人口減少が続いているからです。KKTが独自に県内市町村のピーク時と2050年の予測値を比較してみました。
上天草市は1955年には5万人以上、天草市は16万人以上、苓北町も1万6000人以上が住んでいました。ところが2050年の予測は、天草市でさえ4万人を切り、天草全体の人口は5万5000人を割り込みます。

(武田さん)
100年で5分の1。天草と言えば漁業、農業が盛んなところですが、担い手がいなくなってしまうのではないでしょうか。

(東島デスク)
熊本県で漁業を営む人は5392人。このうち半数以上の2988人が天草市郡です。その天草の漁業者の年齢構成を調べました。50代以上の漁業者が76%を占めています。

(武田さん)
2050年に漁業を続けている方はどれくらい残っているのか考えると恐ろしい。農業でも同じことが言えますね。担い手がいなくなればどんどん生産は減ります。

(東島デスク)
そこで、3月の県知事選に立候補を表明している2人に、人口減少をどう考え、どう乗り越えようとしているのか聞きました。
まずは元熊本市長の幸山政史氏です。

■幸山政史氏
「インフラにどんどんお金がかかります、 維持管理も含めて。だから都市に集中させて効率的にやっていきましょう。 ある意味、日本はそれをずっと続けてきたのではないか。 それで、だんだんと地域が衰退してしまったのではないかと思っています。これをまだ続けるのか。ここをどう守っていくのか考えた時、これ以上都市部に集中させてしまったら、それを誰が守るのかという話になるのだろうと思うんです。だからコンパクトシティ的な発想は分からないではないけれども、それは地域の中にしっかり核を置いていかなければならない。一局集中にしてしまってはダメだと」

Q都市の一極集中を進めるより、そちらの方が予算的にはお金がかかるのでは?
「でもそれは本当に税金の使い道の問題ですし、行政コストをどうとらえるかなんだと思うんです。これまでのように効率化一辺倒を繰り返す都市部への集中を今後も続けていくのか、ある意味これは国民の、県民の選択なのかもしれないけど、私はそれではいけないんじゃないかと強くこれからも訴えていくつもりだし、知事という立場になったとしても県民に意識していただくことをやっていきたい」

【スタジオ】
(東島デスク)
キーワードとして出てきたのが「コンパクトシティ」です。できるだけぎゅっとコンパクトな町を作って、インフラをはじめ、持続可能な町を作ろうというものです。ただし、これでは農業や漁業、畜産業などが衰退するという問題の解決にはなりません。なので私たちがコストを払っても農村や漁村を守っていく必要があるという考えです。

もう一人の候補、元副知事の木村敬氏です。
■木村敬氏
「人口が減少し続けるとインフラを支えられなくなるというのは大問題だと思います。その中でひとつあるべきなのは、これはちょっと耳の痛い話でもありますが、なるべくコンパクトに、コンパクトシティで生きていくという発想です。本当は住み続けたい人はできる限り住み続ければいいんですけれど、やはりその山奥のポツンと一軒家のために電気もガスも水道も引くというのは合理的ではないし、合理的ではないだけではなくて、やはりその人々がなるべく近くに暮らしていくコミュニティを維持したい 」

Q熊本の漁業、農業が衰退していくという事態になりますよね、このままでは。
「はい。だからそこはやっぱり人口減少に伴う担い手の減少、離農する人、離職する人はなるべく減らしたいと思っています。中間管理機構というものを使って農地のマッチングを積極的に進めていますし、漁業であれば機械や最新の技術を使って、今までよりもローコストで少ない人数でもちゃんと獲れるようにする。漁業が維持できるような新しい技術の導入も積極的に後押しをして、今の熊本が持っている農林地水産業の役割、日本や世界における役割、すなわちそれは量であり質でありだと思うんですけど、特にある程度の生産高は人口減少のスピードと同じぐらいのスピードで維持していかないといけない。 それ以上の勢いで下がってしまっては元も子もないので、 そこをしっかり維持していきたい」

【スタジオ】
(東島デスク)
木村氏はコンパクトシティを進めていきながら農村漁村の効率化を進めていく。そうしないとこのままでは熊本の農林漁業の衰退が人口減少さえ追い越しかねないという危機感を抱いています。コンパクトシティを進めるといっても熊本市一極集中ではなくて八代や人吉や本渡といったそれぞれの地域の拠点化を進めたいという考えです。

(武田さん)
熊本の魅力は、なんといっても緑と水の風景。それは、人々の日々の営みによって築かれ守られてきた風土。しかし人がいなければ荒々しい風景に変わる。人口減少と戦うことは、このふるさとの風土を守ることでもあると思います。

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