【熊本のニュース総決算2024】トラブル続きの市電や”政令市最悪”の渋滞 熊本市の1年
2024年の熊本県内のニュースを振り返るシリーズ「総決算」。今回は、市電や庁舎問題など熊本市の出来事を振り返ります。
「大変申し訳ございませんでした」(1月放送)
「市民の皆さまに対し深くお詫び申し上げます申し訳ありませんでした」(7月放送)
「深くお詫び申し上げます本当に申し訳ございませんでした」(6月放送)
何度も謝罪に追われた熊本市。その理由は熊本市電でのトラブルです。信号の見落としや脱線など、今年発生した安全に関わるトラブルは15件。“生活の足”は、市民の安全・安心に大きな影を落としました。
一方、こちらは多くの人が“健脚”を競った2月の熊本城マラソン。
■参加者
「目標は完走です!」
■倉本彩アナウンサー
「4年ぶりに制限のない熊本城マラソンが戻ってきました。まもなくフルマラソンスタートです」
今年の熊本城マラソンには1万4600人あまりが出場。沿道には過去最多の約27万人が応援に駆けつけました。
(沿道で応援する子ども)
「がんばーれ!がんばーれ!がんばれ!がんばれ!がんばーれ!」
トップでゴールしたのは八代市出身で東京大学大学院博士課程の古川大晃選手。2大会連続、4度目の優勝を果たしました。古川選手は、来年の箱根駅伝に「関東学生連合チーム」の主将として挑みます。
4月にオープンしたのは「こども本の森 熊本」。設計・建築を手がけたのは世界的な建築家の安藤忠雄さん。名誉館長に就任したのは俳優の宮﨑美子さんです。1万冊の本が所蔵され、約6000冊は寄付で集まりました。熊本地震からの復興。そして、未来を担う子どもたちへの思いが込められています。
■建築家 安藤忠雄さん
「ここで子どもたちに本を読んでいただいて、10人に1人ぐらいは本の好きな子どもができる。そして熊本から東京、東京からアジア、世界に向けて大きな力になるような子どもをつくっていかないとこの地球はやっていけません」
大きな進展があったのは、耐震性不足が指摘された熊本市庁舎の建て替え問題です。熊本市が議会に示したのは、本庁舎をNTT桜町ビルの敷地、中央区役所を花畑町別館跡地とする方針や、約616億円の概算事業費。9月、これを具体的に進めるための補正予算案が議会に諮られました。そして賛成多数で可決。“市庁舎の建て替え”が事実上、決定しました。
一方、建て替えの賛否を問う住民投票を求める市民団体は。
■市庁舎建設の賛否を問う住民投票をすすめる会 西川文武代表
「皆さんのおかげで2万0384筆、集めていただきました」
11月、2万384人分の署名を提出し、熊本市選管は必要な数を上回る1万8988人分を有効と判断しました。庁舎をめぐるこの問題が、どのような進展を見せるのか、引き続き注目です。
長年の課題といえば、三大都市圏を除く政令指定市で"最悪"といわれる渋滞問題。熊本市の代名詞ともなっているこの事態の解消に向け7月、初めて県知事と熊本市長によるトップ会談が実現しました。さらに熊本県と熊本市などは、職員の時差出勤の取り組みを開始しました。その効果はというと。
■熊本市 大西一史市長(10月)
「時差出勤の取り組みが交通渋滞の緩和効果があったと考えております」
手応えを感じたという大西市長。来年、さらに渋滞対策が進むと意気込んでいます。
■熊本市 大西一史市長(12月取材)
「来年には熊本駅の西側の池上熊本駅ICが新しくできます。北区の方から熊本駅までの間西側のルートが非常にスピードアップされる」
整備が進む西回り環状道路。来年度は池上町と花園インターチェンジを結ぶ4.6キロの区間の供用開始が予定されています。その上で、将来的には九州道との接続など、熊本の道路ネットワークを早期に完成させたいとしています。
■熊本市 大西一史市長
「いろんな道路がつながって、熊本が実はオール九州の中の拠点となる。こういったものを進めていくことが、渋滞対策に非常に有効になると思います」
様々な課題が山積する熊本市。より具体的な議論が急がれます。