過去最大赤字から一転 経常利益、純利益ともに3年ぶりの黒字で過去最高 北陸電力連結決算
北陸電力の2024年3月期の連結決算は、過去最大の赤字から一転、経常利益、純利益ともに3年ぶりの黒字となり、過去最高を更新しました。
一方、能登半島地震による設備の損傷は大きく、その総額は610億円で「過去に例を見ない巨額の損失」としています。
決算会見で、北陸電力の松田光司社長は、2024年1月の能登半島地震による設備の損害額が、グループ全体で610億円程度に のぼると発表しました。
松田光司社長
「今回の地震につきましては、我々にとってもかつてない、経験したことのない未曾有の災害となった。過去に例のない巨額の損失を被ることになった」
このうち、特別損失に451億円を計上しています。うちわけは、七尾大田火力発電所や志賀原子力発電所の損傷に330億円、配電設備などの損傷に116億円としています。
さらに、今後必要な設備投資の総額は、160億円程度と見込み、2024年度の決算に盛り込む方針です。
この結果、北陸電力の2024年3月期の通期の連結決算は、売上高に当たる営業収益は8082億円でわずかに減収となりました。
一方、経常利益は、2016億円増えて1079億円と過去最高となりました。
これは、2023年6月に規制料金を値上げしたほか、その後の燃料価格の下落に伴い、その変動を電気料金に反映させる燃料費調整額の差益が大きいためです。
地震による特別損失を差し引いても、純利益は568億円と過去最高となりました。黒字は3年ぶりです。
松田光司社長
「一定の震災での損失がありましたけれども、一定の黒字が出た、配当も継続できるということで、安堵の気持ちが強いのが印象であります」