父親からの性被害を告白 「絶望…SOSは出しにくかった」 富山
10代の頃に黒部市の実家で父親から性的暴行を受けたとして、24歳の女性が12日会見を開きました。女性は「家庭内の性暴力で苦しむ子どもたちが声をあげられる社会になってほしい」と訴えました。
福山里帆さん
「結婚とかができるのかとか、自分は汚れてしまったのかとか、そういったことも考えましたし、誰か、特に親族に知られてしまったらきっとみんな悲しむだろうと、だから自分が一生懸命隠さないといけないのかなとか…」
12日会見を開いたのは、東京都に住む福山里帆さん(24)です。中学2年生だった2013年から高校2年生の2016年にかけて、黒部市の実家で同居する父親から、「性暴力を受けていた」と告白しました。
福山里帆さん
「悲しいとか苦しいとか、未来に対しての不安とか『これからどうしていけばいいか分からない』そういった一定の感情がたまってしまって、これ以上感情を感じてしまうと自分が壊れてしまうような感じで無になったような。しばらくは不安とかそういったものより、絶望」
永井聖志郎記者
「数年間にわたって繰り返された娘への性的暴行は、いずれも妻が外出中に行われたものとされます」
里帆さんによりますと、父親からの性暴力はあわせて8回にのぼり、母親が外出し、父親と2人になったタイミングで寝室で性行為を強要されたといいます。父親からの性暴力を打ち明けることができなかった当時の心境については。
福山里帆さん
「親族に知られてしまったら、きっとみんな悲しむだろうと、だから自分が一生懸命隠さないといけないのかなとか、でも、助けてほしいとか…。私が父から性加害を受けていると話しても信じてくれないだろうと感じて。なかなか周りにSOSは出しにくかったなと」
里帆さんは2022年、父親に対し過去の性暴力について問い質したといいます。こちらが、その際の会話の録音です。
里帆さん
「私を性的対象に見始めたのはいつからですか?」
父親
「わからない。強いて言うなら中学生とか」
里帆さん
「何をして私に対してどう悪かったと思っているの?」
父親
「性的対象としてそういうようなこと(性行為)をしたのは悪かったと思っている」
里帆さんは、2022年初めて警察に相談したうえ、告訴状を提出していて、会見に同席した弁護士によりますと、父親は2月、富山県警に準強姦容疑で逮捕されたということです。一方、県警は、被害者保護や捜査への支障を理由に、この父親が逮捕されたかどうかについて明らかにしていません。
被害者が現実にいることを知ってもらうために実名と顔を出して会見を開いたという里帆さん。「今、被害に苦しむ人たちの力になれば」と話しました。
福山里帆さん
「他の方のまわりにも家庭内で性暴力に遭った方、遭っている方はいると思います。見えないだけで。性暴力・被害にあったと言っても『あなたは悪くないよ』とその一言がすぐに返ってくる社会になればいい」