息子の気持ちを代弁したい…遺族が参加 大学生ひき逃げ死亡事件初公判 被告は起訴内容一部否認
2023年8月、富山市で大学生を車でひいて死亡させたうえ救護せずに逃げたとして、自動車運転処罰法違反などの罪に問われた男の初公判が19日、富山地方裁判所で開かれました。男は「人をひいたとは思わなかった」などと話し、起訴内容を一部否認しました。
起訴状などによりますと、富山市婦中町砂子田のアルバイト店員横井徹哉被告(70)は、2023年8月17日の夜遅く、富山市婦中町響の杜で自家用車を運転中に、道路に横たわっていた大学生の山田翔向さん(当時19)をひいて死亡させ、救護せず立ち去った罪に問われています。
19日の初公判で、横井被告は「当時は前をしっかり見ていた。直前になってマネキンのようなものを発見し、ひいてしまった。大きな衝撃はなく、人をひいたとは思わなかった」と述べ、起訴内容を一部否認しました。
弁護側は「過失運転致死の過失の部分と救護義務違反は認められない」と主張しました。
一方、検察側は事故当時の状況について「被告は人をはねたことを認識した上でその場から逃走し、その後一度現場に戻り、居合わせた目撃者から助けを求められたが、再びその場から逃走した」と指摘しました。また、裁判では事件前に現場付近を通った車のドライブレコーダーに、山田さんが1人で歩いている様子が映っていたことが明らかにされました。
被害者参加制度を利用して審理に参加した遺族は。
山田翔向さんの父
「(被告は)いの一番に『自覚がなかった』と言っていた。まずはそこから話を聞きたい。逮捕まで10日間、時間があったわけで、それまでどうだったのという話もしたいですし、なんとか彼(翔向さん)の気持ち、感情を代弁してあげたいと思っています」
次回の裁判は2024年2月16日の予定です。