能登半島地震 専門家の見解は 富山
最大震度7を観測した今回の能登半島地震。専門家は、2023年5月に起きた震度6強の地震が関係しているとみています。
富山大学 竹内章名誉教授
「2023年のマグニチュード6.5と今回のマグニチュード7.6の地震の関係性というと、2023年の地震が引き金になったと考えることができると思います」
地震のメカニズムに詳しい富山大学名誉教授の竹内章さんです。竹内さんは、能登半島で近年相次いでいる群発地震が影響していると指摘します。
富山大学 竹内章名誉教授
「能登半島は3.11の超巨大地震の後遺症を受ける形で、歪みエネルギーが溜まっている所に水が注入されるようなことで群発地震を起こしていると見てきたわけなんですね、今回はそれが奥能登の北側にある活断層帯が歪み集中帯と呼ばれるわけだが、そこを刺激してしまって巨大地震(となった)」
震源地の分布を見ると、最大震度7を観測する以前は、能登半島の先端部分で似たような規模の地震が起こる「群発地震」でしたが、今回の地震は、いくつかの断層が連動して動き、震源の範囲が急激に拡大しました。震源となった断層の総延長は、およそ150キロにも及んでいます。
富山大学 竹内章名誉教授
「本震(M7.6)は破壊の出発点ですので、ここで破壊が出発して、西へ東へ伝わって伸びていったと」
今回の地震では県内にも津波警報が発表され、 富山湾での津波の高さは、最大で80センチを観測しました。地震発生のおよそ10分後には、富山市の富岩運河や射水市の内川に津波が遡ってきました。なぜ、能登半島の西側で発生した地震の津波がこれほど早く富山湾に到達したのでしょうか。
富山大学 竹内章名誉教授
「能登半島が隆起していますので、その影響で、このあたり(半島東側)が津波の源になった可能性があると思うんですね。能登側で起きた地殻変動で生じた津波が、富山側にすぐ来るということが考えられると思います」
さらに考えられる理由として。
富山大学 竹内章名誉教授
「富山湾の特徴は急深ですよね、海底の斜面が崩壊するということも津波の原因になるんですね、遠くの地震でも富山湾の斜面で津波が起きるということを十分考えておかなければいけないと思いますね」
竹内さんは、さらに他の地域に地震が連動していく恐れもあると指摘します。
富山大学 竹内章名誉教授
「西日本にはずっと南海トラフの沈み込みによる歪みエネルギーが溜まっている状態ですので、西日本の中の活断層がまだまだこれからも地震を起こすということが考えられるわけですね」
竹内さんは、今後、1か月程度は、マグニチュード7クラスの地震が起こる可能性があると注意を呼びかけています。改めて、今できることを見ていきましょう。
今後の強い揺れに警戒をし、常に安全な場所で過ごして下さい。また、揺れのないうちに自宅の家具が倒れないように固定をしましょう。棚に入れた食器など壊れやすいものは、あらかじめ床に下ろしておくと安心です。今週末は雪の予報です。いざという時暖かい服装ですぐに避難できるよう、防寒着や使い捨てカイロなどを近くに置いておきましょう。