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能登半島地震から5か月 災害への備えは大丈夫?

2024年6月3日 19:28
能登半島地震から5か月 災害への備えは大丈夫?

いつ発生するかわからない地震。3日朝のような早朝の地震には、布団の中で慌てた人もいたのではないでしょうか。災害に対する日ごろの備えについて改めて考えます。

上野キャスター
「富山市の浜黒崎公民館です。こちらでは、子どもたちを対象にした防災教室が行われています」

先週、富山市の海沿いにある浜黒崎地区で開かれた防災講座です。

富山県防災士会 上田司穂さん
「津波の高さが5mくらい。5mと言ったら、みんなのお宅の1階が完全に押し流されてしまう」

子どもたち
「えー!?」

元日の能登半島地震では、県内の沿岸部に津波警報が発表されました。この日の講座では津波に対する呼びかけが、繰り返し行われました。

富山県防災士会 上田司穂さん
「ここら辺は全部津波の恐れがあるところなので、平地の避難場所は基本的には避けてください。必ず高いところに行くようにしてください。」

県防災士会によると、能登半島地震の発生以降、県内各地から講師の派遣依頼が急増しているといいます。防災意識の高まりが背景にあるとみられる一方、県民の備えはまだ十分ではないと指摘します。

富山県防災士会 上田司穂さん
「元日の揺れで、避難所が結構開設されました。逃げて来られた方が、手ぶらで来られた方が、圧倒的に多かったと聞いております。最低限の非常持ち出し袋、リュックみたいなものをあらかじめ用意していただいて、そういうものを持って避難していただくことが必要だと思います」

では、どんな備えが必要なのか。防災士の宮本雅文さんの自宅を尋ねました。玄関には、家族の人数分の非常用持ち出し袋が用意されていました。中を見せてもらうと。

上野キャスター
「結構ぎっしり入って」

防災士 宮本雅文さん
「パンパンに入っています。ラジオだとか、懐中電灯、マスク…」

水や食料は、自宅に備蓄しているため、持ち出し袋の中には、数日間の避難に必要な分だけ入れているといいます。

防災士 宮本雅文さん
「常日頃から自分の家に用意してさえあれば、ちょっと落ち着いた時に、取りに行くことは当然できるんです。そういう考え方も持っていただいた方が、あんまり重荷にならないんじゃないかなと。荷物の方も心の方も。」

また、揺れに対する備えも必要だと話します。

防災士 宮本雅文さん
「これ、実際揺れても、倒れることはありません」

上野キャスター
「倒れませんね、テレビ」

テレビは背面を金具で固定。本棚には、転落防止用のゴム製バンドを取り付け、天井との隙間には、いわゆる「突っ張り棒」を設置しています。 木の板を挟むことで、棒が天井を突き抜けてしまうのを防ぎます。実際に揺らしてみると。

上野キャスター
「当然倒れないし、物も落ちてこない。能登半島地震の時は、この本棚どうだったんですか?」

防災士 宮本雅文さん
「全然。何にもなかった。全く何もなかったです」

他にも、パソコンが落ちないようにバンドで固定したり、非常用電源を準備したりと、様々な”備え”を施していました。

専門家は、住んでいる地域ごとに必要な備えはなにか、意識するべきだと指摘します。

日本防災士会・全国講師 横山恭子さん
「実際に能登半島の方に行かせていただいて、場所によって必要なものが全て違うんだなっていうのが改めてわかったっていうこと」

沿岸部の場合は、津波から避難する前にけがをしないため、家具の固定の徹底が大事と言います。そのうえで、非常用の荷物が濡れないようビニール袋に小分けしておくなど工夫することを提案します。

一方、山間部では土砂災害への備えが必要です。能登半島地震では、道路が寸断されたことで、長期間孤立した集落もあり、特に高齢者にとって必要な薬や病院などでの支払いに必要な現金を用意しておくほか、主な移動手段となる自家用車の燃料の残量に注意するよう呼びかけます。

また、人口の多い市街地では、物流が途絶えた際に物資が十分に行き渡らないことがあると指摘します。避難所に入れない場合にも備え、食料や水、携帯トイレ、カセットコンロを準備することや住民同士で助け合えるよう、日ごろから顔の見える関係性を築いて置くことが必要だといいます。

日本防災士会・全国講師 横山恭子さん
「当たり前に生活をしていて、いつでも徒歩圏内で行けるような地域に住んでる方こそ、備えられてない方っていうのはすごく多く見受けられました。最近やっぱりコミュニティがどんどん薄れてますので、そういったところは、やっぱり 地域の防災訓練とか、イベントとかいろんなところに顔を出して、自分たちがここにいるんだよっていうアピールも一つ含めて、参加していただけたら」

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